#1410 愛車という視点から気付いた、フィエスタのあれこれ話、その1

 フィエスタについて書こう、書こうと思いつつ、観察すればするほどに、ネガな印象ばかりが気になってですね、書くに書けないでいました。いましたが、書いてみたらおもしろい表現が出てくるかもしれないということで、書いてみることにします。
 最近、常々感じているのは、このクルマ、スポーティセッティングと思いきや、観察すればするほどに、ノーマルっぽいセッティングを感じます。しかしですね、195/45R16サイズのタイヤとの相性は悪くない。で、さらに観察するとですね、乗り心地の悪さに通じる硬さを伝えてこないフィーリングは、どうやらフォード流のサスペンションセッティングによってまとめられているきらいがあります。大きめのブッシュと、ストローク量を使った、あの乗り味。ま、ひと昔前ともいえますし、ラリーで培った技術を感じさせるような、そんなフォードらしさですな。ただですね、それがゆえに路面状況の悪いところにおけるバウンドが大きく確保されますから、つまりは、リバウンドも大きく出てきます。といっても、そのリバウンドストロークもすっぽ抜けるよなフィーリングではなく、ある程度減衰力を与えながらも、リバウンドさせた分をしっかりと逃がしているといった印象であって、タイヤのグリップが失われると表現される手前といった感じでしょうかね。ま、揺れますけどねといった感じか。このあたりが、スポーツサスペンションらしくないなぁと感じたひとつですな。
 ま、このあたりは、こんなもんかなと思って、ステアリングを握っていればいいのですが、特に気になっているのは、ステアリングフィーリング。あのですね、機敏過ぎるんです、レスポンス良すぎるんです。これはタイヤサイズと、タイヤのキャラクターが大きく影響しています。そのサイズは195/45R16、タイヤはハンコックのハイグリップ系タイヤ(ventus S1 evo)。これがですね、シャシーセッティングを大きく上回るパフォーマンスを持っていまして、つまりは、タイヤが勝ってしまっている感がすこぶる強い。つまり、タイヤの役不足感が強い、と。ステアリングを切り足したところから明確なヨーが立ち上がるんですが、明確すぎるというか急激すぎてですね、もうワンテンポ遅く欲しいといった感があるほど。そうなんです、タイヤのグリップ力が強すぎる。ま、ハイパフォーマンスを謳うタイヤですから、当たり前のこと。で、さらに観察していくと、グリップ力の高さはコーナリングにおいて安心感をもたらすはずなんですが、先に書いたように路面の荒れたところではサスペンションが自在に動きますから、そうなんです、荒れた路面でのコーナリングをハイスピードで進入すると挙動を安定させるに少々気を遣うことになると。暴れるとか、とっちらかるってんじゃなくって、気を遣うって表現が、ぴったり。ま、そこにドライビングの楽しさがあるといいたいところなんですが、昨今のクルマはこのあたりの安定感は極上ですからして、少々の不満もあります。
 そんなあれこれから、これ、スポーツサスペンションじゃないんじゃないか、そして、15インチに止めて、ハイグリップ系ではなく、かといってコンフォート系でもなく、どちらかといえばスタンダード系……、具体的にはミシュランのエナジーセイバーあたりを組み合わせると、そもそもフィエスタが持っているシャシーの良さがさらに大きく引き出されるような印象を持ちました。あくまでも、想像ですけども。
 実は、納車にあたって、タイヤを新品にしていただきまして、そうなんですね、1.5万km走って慣れが出てきたサスペンションと、新品タイヤたるフレッシュさとで、相性が悪いのかなといった感もありますので、先の印象が強調されているような気もしています。ちなみに、プレス用資料を眺めてみたら、日本仕様のフィエスタは、スポーティなエアロキットと、Bセグとしてはこれでもかといわんばかりの快適装備を採用していますが、スポーツサスを組み合わせたとはどこにも書いていませんでした。実際、フィエスタのサスペンションは、ハイパフォーマンスモデルであるST専用のほか、スポーツサスペンションが設定されています。しかし、そのスポーツサスは、UKのホームページを眺めると、さらなるロープロファイルとなる17インチタイヤとのセットとなっていますから、どうやら、日本仕様の16インチとの組み合わせはない模様。
 このあたりは、フォードに聞いてみるかと思っても、すでに業務終了でしたな。それにしても、スポーツサスペンションだけでリリースせず、タイヤを組み合わせて提供するというスタンスは、さすがフォードといった感があります。ちなみに、日本仕様と16インチの組み合わせはUKでも可能となっていますが、その組み合わせをしたとしてもフォードテイストの範疇に収めつつ、あえて選んだオーナーに変わった感といいましょうか、行き過ぎ感をあえて感じさせるというスタンスがあり、それはそれで感心しましたが。あ、好みとはちょっと違いますけどね。
 さて、フィエスタ話はこんなもんでは止まりません。というわけで、続く。

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