#1406 ねっとりに打ちのめされた、プジョー308のディーゼル(ヨシダイチオシ)。
そしたらですね、あのですね、打ちのめされました。そもそも、308に対してはタイヤサイズの行き過ぎもあって、バランス不足を感じていましたが、ベースポテンシャルはすこぶる高く、ボディにしてもシャシーにしても高く評価していました。で、そんな308にディーゼルエンジンを搭載したわけですが、ディーゼルエンジンだから良いというレベルを超えていてですね、308らしさが全開といいましょうか、特に1.6Lがですね、16インチタイヤを組み合わせたハッチバックのアリュールがですね、308の美点のすべてを引き出していましてね、もう、絶句状態。エンジンフィールは、発進時からトルク変動を与えることなく、ターボとは思えない、ディーゼルとは思えない、滑らかで、美しい加速をしていきます(ちょっと大げさですが)。それはアクセルペダルの踏み込み量にリンクしたもので、不要な加速やらを全く見せることがない、まさに上品なもの。で、4気筒、ディーゼルだというのに、回転上昇が実に滑らかで、そこに高トルクが重ねられて出てくるもんですから、もう、うっとり。トルクっていいよね、を超えた印象でして、このあたりのフィーリングは、マツダにも、BMWにも見当たらないもの。で、2000回転にもなれば太いトルクがダイレクトに感じられ、さらにジェントルさを伴って加速していきますから、もう、これ以上、何が必要だろうか、と思わせるほどでした。いや、実際に何もいらんと思います、もう。もちろん、そこにはスポーツカーに通じるようなパンチはありませんし、それはガソリンターボのようなパワー感にも届いていないかもしれません。でも、それらとは確実に異なる質感あふれるフィーリングがあります。
ディーゼルエンジンですから車外で聞くと燃焼音は壮大に響いているんですが、遮音性がすこぶる高くてですね、中・高音域が室内に入ってこない。低音域は残っていますが、邪魔に感じるサウンドは見当たらず、どちらかというと特別なモデルに乗っているかのようなサウンドになっていまして、これ、ありだなと感じました。ペダルやフロアから振動が伝わってきますけども、それも微々たるもの。ボディの作り込みを含めて、308のポテンシャルの高さを感じさせるところです。
いうまでもなく、シャシーの仕立ての良さも、このディーゼルのフィーリングに見合っていまして、サスペンションのストロークフィーリングまでも美しい。重量増に伴ったものとも言えますが、それにしても、トルク量がもたらす重厚感にリンクしているかのようで、うっとり。そう、すべてがバランスしているんです。アンジュレーションのあるシーンでは、4輪のタイヤがですね、その接地面で路面をしっかりと捉えているだけではなく、路面から離さぬかのような、粘りを披露してくれます。4輪が個々に動きながら、それがバラバラではないというなんとも奇妙なハーモニーをもって路面を捉えて離さないフィーリングを伝えてきますし、コーナーでは適切なロールフィールが与えられていまして、タイヤのグリップを存分に使って駆け抜けていきます。もう、うっとり。で、タイヤを確認してみれば、またも、ミシュランのエナジーセイバーとなもし。シャシーとタイヤと、互いにいいところを引き出し合って、高め合っているといった印象。いやはや、いやはや、いやはや、といった感じです。
ちなみに、2.0Lターボ(写真右:SWのGT)は、18インチを組み合わせたGTに採用されていますが、さらなる極太トルクを披露するものの、日常域においては、1.6Lターボと大きく変わらない印象があります。でもですね、それもまた、プジョーなりの仕立てでしてね、アクセルを少し踏み込み、足の裏にアクセルペダルからの反発たる圧を感じるところから、極太なトルクが立ち上がってきます。そうなんですね、ここの間(ペダルストローク)が大きく確保されていましてね、これが扱いやすさ、まさにコントロールしやすさを作り上げていまして、日常からスポーティ走行まで幅広く対応。そうなんですね、天晴れ、天晴れ、天晴れ、……。
ほかにもいろいろとあるんですが……、あとで書き足しましょうかね。あ、いうまでもありません、ヨシダイチオシです。これで、MTだったら、もう、ゴメンナサイって感じですな、ほんと。って、これ(1.6Lディーゼル+16インチ)で、MTモデルを出して欲しいなぁ。