#1391 素性はとてもいいんだけど、おや? を感じた、ミニクラブマンONE。

 増殖したMINIも、これまたとってもいい、って話を#1376にてしました。というわけで、個々にチェックすることに。まずは、クラブマンに加わったONEですな。搭載エンジンは1.5Lターボですが、クーパーとはもちろん出力が異なっておりまして……、不足かと思いきや、これが十分。というか、これでいいんじゃないかと、妙に納得させられることしばしばといった感じでした。
 この個体は、派手なオプションが装備されておらず、マニュアルエアコン、ウレタンなステアリングホイールというようにわりとスッピン。そうなんですね、広報車には必須アイテムとして装備されているMINIドライビングモードやダイナミックダンパーコントロールも見当たらず。といっても、17インチホイールをはき、LEDヘッドライトやナビやらそのほか約70万円分のオプション付きではありましたが……。
 で、やっぱりですね、この、BMWのCセグ向けFFプラットフォームの仕上がりの良さに感心しました。言葉としては好きではありませんが、それはプレミアムな乗り味を表現するに十分なポテンシャルを持っていますって、意味合いですな。ただですね、何かが違うんですね、この、クラブマンONE。試乗会では感激したんですが、細かに観察していくとおや? あれ? ほ? がある。たとえば、って、これに尽きるのですが、ハンドリング。実は、オンセンター部の緩さと、その先の操舵感の繋がりに唐突感がある。まぁ、修正舵をあてていればいいだけの話とも言えるんですが、舵を当てた際にですね、少し切り足して緩さが消えゆくところから急激にヨーが立ち上がる。そもそもステアリングフィールがクイックな仕立てとなっていることもあって、まさに、急にといった感があります。しかもですね、操舵に関連するボディの剛性がすこぶる高いもんだから、この過渡域に曖昧さがなく、そのフィーリングがそのままにドライバーに伝わってくる。そして、切り足しすぎないように気を遣うことになるわけです。日常域での話ですが。
 ま、走り出してしまえばといいましょうか、ワインディングに持ち込めば、それほどに気になることではないんですが、違和感手前のそんなフィーリングにおや? を感じたわけです。ただ、これもあれこれと考えてみるに、17インチタイヤの行き過ぎ感がもたらしている違和感のような気がしました。って、標準仕様は……、って、おっと、カタログが手元にないのでわかりませんが、たぶん、16インチでしょうかね。そのルーズ感を考慮すると、バランスとしては整えられているんじゃないっかなって気がします。あくまでも推測で。
 あとは、やっぱりですね、MINIを選ぶにあたって、ダイナミックダンパーコントロールは必須アイテムだと感じました。これ、その速度域に関わらず、理想となるダンピングを提供してくれるもので、ま、簡単にいいますと、路面を掴んで離さないという路面トレース性をかなりのレベルまで引き上げてくれます。それは、乗り心地から操縦性に至るまで。そして、MINIらしいストローク感まで強く表現してくれますので、まさに必須アイテムだと思うわけです。今回は、17インチタイヤをはいていたこともあって、路面からの入力とダンパーでの抑えとがかみ合わないシーンがわずかに。もう少し、ねっとり粘って欲しいな……を感じてしまったのでした。
 と、あれこれと気付いたことだけを書きましたが、最初に書いたように、クラブマンの仕上がりそのものは悪くありませんので、あしからず。

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