#1364 改良前のままでも、十分に買いの要素が詰まっている、ルーテシアGT。

 ふと思ったわけですよ、ルノー・ルーテシアとキャプチャーの1.2Lターボエンジンとトランスミッションが改良を受けたものの、ルーテシアGTは以前のままに放置されるって、どうなのさ、って。GTのほうが燃費が悪いのはいいとしましょう、でもね、遅いってのはどうなのか、と思ったわけです。というわけで、思い立ったら即行動とばかりに、テストドライブへと出かけました。
 で、いきなりですが、結論。個人的には、以前のエンジンフィーリングのほうが好き、かな。理由としてはあれこれとありますが、アイドリングストップによるギクシャクがない、急激なトルクの盛り上がりがない分扱いやすさがある。速さについてはですね、RSドライブモードをオンにすれば、パワーとトルクはピークを上回らないものの、レスポンスやらトランスミッション制御がスポーティになりまして、つまりは、好印象。
 ま、そう感じたのは、エンジンフィールだけではない、GTなりの価値をそこに見出したから、ってことがあります。それは、なんといっても、ルノースポールが仕立てたシャシーでしょうな。はっきり言って、スポーティ。サーキットスペックとは言いませんが、その手前をきっちりと仕立ててありまして、まぁ、日常においては路面が荒れているようなところ、道路の継ぎ目では硬さを感じさせます。なので、誰か同乗してどこかへ出掛けたいモデルとはちょっと異なるかな、と。そんなキャラクターを持っていますが、これが、速い。つまり、シャシーが速い。って、シャシーの役不足を感じるほどに、速い(シャシーが速い)。クイック感を演出したのではなく、余計な動きを取り除いたと言わんばかりの仕立ては、コーナーでは無駄なロールをさせず、かといってロールを許しつつ、その動きにしなやかさがあり、美しさがあり……、そう、コーナーが愉しい。ただですね、ちょっと優等生的に仕立てすぎな感もありまして、208XYやフィエスタのような、余地がない。いや、いいことなんですよ、いいことなんですが、あまりにクール過ぎるキャラクターに、最初戸惑いを覚えたほど。
 もうちょっと言いますとね、このシャシーの真価は、クローズドコースでないと感じ取れないと思います。それを発見すると、日常の硬さもまったくといっていいほどに、気にならなくなります。そして、何よりもシートがいい。R.S.と同じ形状となるシートは、セミバケット形状だからという理由だけではなく、まさに体の全てを支えるかのように、ホールドしてくれまして、もう、それは、全てを預けますからよろしくと言わんばかりのフィーリング。
 ちなみに、価格はインテンスで239.9万円、GTで259万円となっていますが、エンジン違いを考慮しても、その価格差を十分に納得できる、ものとなっています。では、ヨシダイチオシになるのか。って、一時はなっていましたが、今、思うに、ならない、かな、と。理由は、速すぎるシャシーとエンジンのバランス、あとは、デュアルクラッチMT……。これが、MTで、シャシーに緩さ、もしくはエンジンにもう少しの明快さがあれば、買いとなっていたことはいうまでもありません。
 そうそう、デザイン的には、いちばん好みです。過去にも書きましたが、リアビューが、もう、秀逸でしてね。まさにうっとりといった感にあふれています。

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