#1316 エンジンが3気筒たるウィークポイントを感じさせない、BMW118i。

 大絶賛したBMWの118iですが……、って、あれ、記していないようで……、って、BMWのハーフラインナップ試乗会について書いていなかったようで……、とチェックしたら、同時期に行われたVWフルモデルラインナップ試乗会についても、記していないようで……。あの頃は、まさにドタバタでしたから。ま、そのうちに。というわけで、あらためてBMW118iを借り出してきました。1シリーズ、昨年5月に後期型へとスイッチして116iは118iへと名称を変更したばかりなのに、その118iは4か月でエンジンを直4/1.6Lターボ→直3/1.5Lターボに変更。まぁ、BMWのエンジンのモジュラー戦略を考えると、自然な流れではあるんですが、日本市場においては、ちょっと混乱を招きましたな。
 ま、エンジン出力スペックは変えていないので、気付かない人は気付かないでしょうけど、排気量はもちろん、気筒数も減っていますし、でも、燃費はアップしています。って、さて、どっちがいいのでしょうかね、という観点で、昨年の試乗会で乗ってきたらこれが良かった。日本のBMWモデルとしては、初の縦置き3気筒エンジン搭載モデルとなったわけですが、まずは、同じエンジンを搭載しているMINIや、2シリーズ云々のような、あの振動が見当たらない。もちろん、4気筒と比べるとがさつ感はありますが、それよりも3気筒ゆえの軽快さのほうが好印象でして、つまりですね、3気筒たるウィークポイントを感じさせない。まぁ、このあたりもBMWの妙といいましょうか、ここまでの完成度に到達したから、商品化されたわけですが。
 とにかくですね、エンジンが小さく、軽くなったこと、さらにフィールも含めた軽快感が、走りに大きくプラスしていまして、これが愉しさを引き出しています。まぁ、最新のユニットと比較するとパワーステアリングフィールに物足りなさはあるものの、これもまたシャシーの剛性に見合っていまして、不足を感じさせない。そう、バランスです、バランス。バランスがいい。
 ノーマルサスペンションの設定は、快適性重視といったフィーリングが強く表現されており、そのしなやかさが快適性とスポーティさを上手くバランスさせていて、たぶん、最後となるFRな1シリーズたるアドバンテージをそこに感じました。まぁ、ワインディングでは、基本どおりのドライビングをしないとあたふたを感じさせますし、いわゆるスポーツサスを奢ったモデルのようなハイスピード域での走りまでは期待できません。できませんけど、そもそも、最高出力100kWな1.5Lターボですから、これで十分。ただ、個人的には、トルクがもう少し厚いといいのになと思うことしばしば。ただ、よくよく観察してみると、トルクがフラットに表現されていますから、先にトルクの厚みの件は不足には届いていませんし、なによりも燃費がいいことがトピックですから、そのバランスを考えると納得もできます、な、と。
 なんて、書きながら、同じエンジンを搭載しているMINI CLUBMANではトルクフルさを感じたことを思い起こしつつ、そっか、車両重量差があるのかと思いきや、ほとんど同じ。この違いはどこから来ているのだろうかと探りつつ、運転していて気付きました。シャシー性能の中でも直進安定性がすこぶる高い分、加速感やスピード感が薄く、そう感じさせているだけのこと、かと。
 まぁ、そんなあれこれはありますが、とにかく軽快感がもたらすスポーティさが、美点。もはや、直列3気筒エンジンだからというウィークポイントを感じさせない、そして、忘れさせる、そんな良さがありました。また、気付いたことあったら、そのうちに付け足しておきましょうかね。

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