#1314 ブツブツ言いながらも、また、足を運ぶだろう中島みゆきのライブ話。

 なんだかんだ言いながら、今回の中島みゆきのライブにも足を運びました。東京国際フォーラムホールAを8日だったか、9日だったか分のチケットを完売させてしまったそうで、そこに改めて彼女のスゴサを感じつつ、期待半分で出掛けました。
 それはなぜか。事前にセットリストを確認したらやまねこを歌うってことが分かりましてね、はぁそうですか、今、ですか、どうしちゃったんでしょうね、と思いつつ、当時のアレンジを崩してくることが予想されまして、期待半分どころか、期待を裏切られるだろうなと思って、出掛けることになったわけです。実際、やまねこは、基本は当時のアレンジを尊重していたものの、イントロのチェンバロ風味な音色を受けて、響かせるはずの重低音なブラスサウンドが抜けた上に、その直後にストリングスのヒュルリラーと言わんばかりの奇妙なサウンドが加わって、なんだ、この間抜け感は……と、気が抜けてしまい、2曲目にして意気消沈。ま、以前にも書いていますが、やまねこに対する想いはSuppinと歌暦(80年代のライブ)で完結していますので、崩さないで欲しいとも改めて思ったわけですけども。
 そんな個人的な想いはさておき、今回、? が多かった。まずは、ストリングス部隊の存在に? を感じました。5人だったか、6人だったか揃えていましたが、pluggedなライブにおいて、生音を聞かせる意味合いが分からない。実際、5挺が重なろうとも、音は届いてきません。かと思えば、バイオリンソロの時だけ、音量を上げて聴かせていたりして、……、そうなんです、そんな複数人必要なのかと思ったわけです。その効果は、ビジュアル的に弦楽器部隊がいるってことなんでしょうかね。そんなことにも、なんか違うを感じたわけです。さらに、昔の音源を聴き直してみれば、もっと、パーカッションが前に出ていた感じもあって、なんていうんでしょうかね、あまりに整えられ過ぎて、そこにライブ感はもはやないことに気付いたわけです。そう、ライブの途中で。
 今回は、多くの人が耳にしているヒット曲をあまり歌わず、昨今の世のあれこれに対するメッセージを訴えたところは好感をもてましたが、だったらば、吹雪で絞めればいいのに、なぜだか、麦の唄で締めるという、中途半端さ。あの歌はアンコールに持ってくるべきでは? と感じつつ、3部構成でテーマを与えたというわりには、選曲にも? を感じたりと、なんだかなぁといった感だけが残ったライブとなってしまいました。
 過去にリマスター版を売りたいがために、リマスター対象となるアルバムから1曲ずつ歌うとか、多くの人が知っている分かりやすいヒット曲を意図的に歌うとか、ま、そういうこれまでの手法もあまり好きではありませんが、かといって、今回のライブにも馴染めないわけで……。
 そう考えるとですね、やっぱり、Suppin vol.1のあの仕立ては凄かったのだなと、過去に回帰してしまうわけです。もう、青春は戻らないって感じでしょうかね、これ。といいつつ、また、次のライブに足を運ぶのでしょうけど。

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