#1244 なんだかんだで80年代がいちばんいいと思う、中島みゆき話 その5

 あれこれと書きなぐり、そして、手元にあるチケット代金支払い用紙を眺めながら、ふと思ったことがありました。……、そうです、ここらでやめておきましょうかね、とか書きつつ、続けます。
 オールナイトニッポンを降板するまでの中島みゆきのライブ(特に80年代後半)ってのは、オールナイトニッポンの延長ラインにあったというか、そのライブ版だったような気がしました。MCはあのままだったし、観客とのやりとりもあった。そして、観客席から貢ぎ物(カップラーメン)がステージへと飛びまくり、それもだんだんとエスカレートして、しまいにゃ白菜やら一升瓶まで飛び出し、ってさすがに投げられないから、こぞってステージへと持ち寄り、それを受け取る時間が設けられていたりと、まぁ、今じゃ、考えられない光景が見られました。ただ、当時は、後方席ばかりだったので、ステージへと駆け寄ることができる一階席を羨ましくも思ったものでしたが。今では考えられないといえば、掛け声やらもそうだったし、まぁ、振りなんてのはありませんでしたが、強いサウンドが前面に出ていた80年代後半は、総立ちのままなんてのもありましたっけね。でも、ライブにしっかりとしたストーリーがあったし、いうまでもなくライブ感があった。まぁ、振り返ってみますと、あの頃は、受験生や浪人世代(大学、結婚)が中心、つまり、10代後半から20代の若者たちが中島みゆきのような音楽に惹かれていたわけで、そういった勢いがあっても当たり前のこと。ただ、今の世代をそこに置き換えることは、ちょっと想像できませんけどね。
 そして、そういうスタイルを意図的に変えようとしたのが、やっぱりオールナイトニッポンの降板だったような気がします。理由はわかりませんが、ファンというか観客との距離感を広げた……、いやいや、引き離したのが、あの時だったような気がします。ファンの成長とともに、大人な雰囲気へと引き上げた意図やらマーケティングなんてものはないと思いますが、次へのステップというよりは、このままじゃいけない的な何かがあったのだろうなとも思います。
 なんの話でしたっけか。って、そうそう、ライブね。自分は、曲を聴かなくなると同時に足は遠のきましたが、ふと思い立って、07年から再び足を運ぶようになりました。が、正直、印象深いシーンは残っておらず。それは、最近の曲ばかりで知らない曲が多いとか、アレンジが好きじゃないといったこともありますが、やはり、客席との距離が遠くなってしまったままだからだと自己分析。観客とを近づけているかのような演出はありますが、やっぱり、遠い。いや、発信側と受け手側の距離感ってのは、近過ぎてもいけないものだと思っていますが、やっぱり、遠い。
 そして、ラストでは、一期一会というか、出会えた縁について述べて、また、次回、お会いしましょうと繋いで終わりますが、なんかね、これが、きれい事に聞こえてしまう。昔は、違った。もっとね、身近さを感じさせるコメントだった。やっぱりね、距離感があるわけです。って書いていて、自分の心が汚れ、言葉を素直に受け取れなくなっただけのような気がしてきましたが……。
 とかなんとかいいながらも、今回のライブは2回分を確保。って、東京国際フォーラムのホールAだけで9公演もあります。凄いですな。画像は、86年の両国"新"国技館ライブ収録版。だんだんとマイクを離して、最後にはアンプラグド&アカペラとなった「縁」は、国技館の中にナマの歌声だけが響き渡り、強烈な印象として残っています。

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