#1243 なんだかんだで80年代がいちばんいいと思う、中島みゆき話 その4

 あれ、何を書こうとしたんだっけかな。忘れた。中島みゆきの80年代に限った話を、あっちへ跳び、こっちへ飛びと、書いてきましたが、書きながらひとつ思い出したことがあります。年代に限らずですね、アルバムの最後に名曲が多いということが挙げられます。といっても、90年代までかな。
 発表から20年以上が経過してからヒットに至った糸(→)もそうですし、世情やファイトもそうでした。これまでに挙げた、夜曲やローリングもそう。広い一般に知られていないところでは、Miss.Mの肩に降る雨(→)グッバイ・ガールの吹雪(→)、夜を往けのwith(→)やらも。その中でも、吹雪って曲は凄い。当時、何のこと歌ったのかは分かりませんでしたが、いろんな解釈ができる曲であり、まさに見ぬふりへの戒めのようなところもあって、時代にかかわらず、原発やら、今回の安保法案の件やら、何かが当てはまる、そんな深さがあります。ライブで歌った時も、込めた意味合いについては語りませんけど、ブームってやつに気をつけてくださいね、って、付け加えていたことがいまでもしっかり心に残っています。
 話は、さらに飛びますが、そもそもなんで中島みゆきに惹かれるかといいますと、表現者たる存在に尽きるでしょうね。言葉というものがもつリズムを、音を連ねたメロディに表現し、それを自らの歌唱で色を付けるという、クリエイティビティ。それが色濃く表現されていたのが、80年代だったように感じるのです。昨今の朝のドラマの主題歌のように、詞やメロディの作り込みがありながらも、サビで曲としてのダイナミック感へと持ち込もうとするような表現にはあまり惹かれません。糸のように、語りかけるかのようなメロディラインがあって、結果としてダイナミック感が表現されたならば、素直に受け入れられるのですが……、って好みの問題でしょうかね。
 ま、とうとうと語ってきましたが、今を否定するというより、自分の生き方含めて、昔は良かったね感がベースにあっての、好き嫌いなんだと思います。そうそう、最初に今、ヒットしている糸はそもそもアルバム収録曲でしたが、06年にリマスターされて、元気ですかというアルバムに入った音源があります。単曲での購入はできませんが、ま、時代やらファイト! やら入っているベスト盤的になっていますので、これから購入の方はこちらを選んだほうがよりよいサウンドで聴けるかと思います。
 というわけで、一冊本が書けそうな勢いになってきたので、ここらでやめておきますかね。

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