#1240 なんだかんだで80年代がいちばんいいと思う、中島みゆき話 その1

  中島みゆきの曲について、どうやって書こうか、ずっと考えていました。好き嫌いではない、表現がどうできるか、あれこれと考えていまして。で、さきほど、ライブチケットの当選と落選のお知らせが届いたことをきっかけに、とりあえずは文字に起こしてみることにしました。個人的には、やっぱり青春(!)がリンクしている80年代がベストだと感じています。あれですな、悪女のヒット以降、オールナイトニッポンを下りたちょっとその先まで。それ以前はリアルタイムでなかったためか、70年代が幼少過ぎたか耳に馴染まず、そして、それ以降は求めているらしさが見当たらず、といった感じでしょうかね。いや、そこにもいい歌はたくさんありますけども。
 その中でも80年代後半のサウンドについては、ロック色が強くなったと評され、自身も御乱心の時代だったと振り返っているようですが、こういった表現の数々、どう理解しようにも、しっくりこない。たしかにサウンドそのものが強くなり、デジタル音とリズムが前面に出てきたために、そう表現するのもわからんでもないのですが、楽曲としては、そもそもメロディラインと歌詞とに表現されていた強さ(大きさではない)が世界観としてひとつ完成に達したような、そんな印象を持っていましたので。
 御乱心という表現については、納得できるところもありますが、その表現は自分でしちゃいかんでしょ、と思うところもあります。なんていうんでしょうかね、自分も経験あるんですが、作った曲に対して、アレンジが加えられると、思っていたのと異なる雰囲気に仕立てられてしまうのが常。そして、それは想像以上に世界観を広げてもらえたと感じられる時と、なんか違うんだよねという、どちらかに至ります。前者は、あたかも恋愛中に自らが変わっていく様を愉しむようなそんな感じがあります。で、あの当時の中島みゆきといえば、当時のライブでは元曲がこんなになってしまった、オリジナルを弾き語りで演奏しながら楽しそうに語っていましたから、そのことは認識していたし、それを楽しんでいたように捉えていました。つまりですね、あの時は、その時のことを否定していなかったし、冷静だとアピールしていたように感じました。って、まさに、恋愛中って感じで。アルバムの36.5℃、ライブの歌暦やSuppinの時期ですな。そこに、恋心がリンクしていたかどうかは知りませんが、たぶんあったんでしょうね。だから、振り返って、あの時のあれこれを、乱心と称しているんだろうと思いますが。
 まぁ、いいでしょう、誰にだって乱心はありますから。ただですね、それを放置しておけばいいのに、すでに発表された曲を作り直すかのようなスタンスに、なんか違うんじゃないかなと思うところがありました。93年発売の、時代 -Time goes around -に収録されたローリングとか、孤独の肖像1stとか。特に後者はアレンジだけではなく、これが最初のバージョンだいってメロディそのものを変えてしまいましたが、この曲こそ歌暦page'86(ライブ)で、アレンジ前バージョンを弾き語りにて披露していましたから、そこまで過去を消し去りたいのか? と思ってしまったほど。まぁ、消し去りたいのではなく、ひょっとすると区切りをつけたかったのかもしれませんな。
 ちなみに、この頃の曲は、ライブでは、ほっとんど、といっていいほどに、披露しませんし。
 やっぱり、書ききれないや。長くなってきたので、次へと続けます。アルバムジャケットは例のごとくamazonのアフィリエイトが張ってあります。

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