#1238 好印象なボルボのポールスター・パフォーマンス・パッケージな話。

 鬼怒川が氾濫した、あの日の早朝、伊豆半島の付け根といいましょうか、神奈川県の端っこと言いましょうか、根府川と真鶴の間あたりにいました。本日、発表になった、ボルボのD4、T5エンジン用ポールスター・パフォーマンス・パッケージ装着車試乗会のために。
 このパッケージは、エンジンのECU書き換えによって出力特性を換えてしまうものなんですが、それを自動車メーカーが提供し、しかも、登録後の装着を可能としているという、この2つにトピックがあります。もちろん、信頼性や耐久性は確認の上でしょうし、新車以外への装着を可能としたことについてもマージンあってのことでしょう。
 ちなみに、パワースペックとしては、ディーゼルエンジンであるD4用は、190ps→200ps、400Nm→440Nmというアップを果たしています。え、トルクで40Nmアップって、ドライブトレインやら大丈夫なのか? と思われるでしょうけど、そうなんですね、すでにこのパワースペックに耐えられる設計をすでにしてあったようで。まぁ、そんな先読みも、新生ボルボらしさとでもいいましょうか、商売が上手くなったなと感じるところです。
 さて、肝心な走りですな。そもそも、ボルボのD4(2.0Lディーゼルエンジン)は、力強いトルク感をフラットに表現していて、まさにボルボフィールを上手く作っています。言い換えると、それは扱いやすさに富んでいてとても優等生的ということになるのですが、やんちゃっぷりに通じるような過激さがないのも、事実であり、それもまたボルボらしさとなっています。
 なるほど、このパッケージは、そんなボルボフィーリングに10ps+40Nmを用いてパンチを加え、レスポンスをアップさせたのか……、と思われたかもしれませんが、これが違う。たしかにスペック的にはそれだけのアップを果たしていますが、実際のフィーリングは、中回転域を意図的に持ち上げつつも、そこに大きな変動を与えるのではなく、低回転から、そして高回転への繋ぎを実にスムーズに仕立ててありまして、これが美しい。とても美しい。レスポンスもたしかに鋭くなっているんですが、過敏さを表現しておらず、まさに、素直さを極めたといったフィーリングに富んでいます。そうなんですね、質感が高められたという印象、そのものであり、まさにメーカーならではの作り込み。表現を変えますと、ほかのブランドでいうところの、同じ排気量なのに、チューニング違いでアッパークラス感を作り上げているという、あの感じですな。ということで、超・超・超・好印象でした。
 ちなみに、価格は工賃込みで18万8000円。ECU書き換え作業だけで? と思われるかもしれませんが、エンジンは同じなのに出力が変わって装備を加えただけで100万円アップしてしまうドイツ車のあれこれと比較すると、これ、かなり安いと思います。あえて別グレードとして展開するのではなく、後付けを許すというスタイルや、その価格にも話題性があり、この手法、とってもオモシロイなと感じました。
 そうそう、写真は、レギュラーのD4エンジンを搭載したV40です。ただ、この角度からだとその違いはわかりません。装着後のエクステリアには、リアゲートにポールスターパフォーマンスパッケージのエンブレムが着くだけだったりしますので。

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