#1233 実のところ、新しい提案だらけだった、今回のAppleSpecialEvent。

 iPadが大きくなって、AppleTVでゲームができるようになって、iPhoneは感圧センサーが付いて……、一般的なニュースで今回のKeynoteを取り上げられても、そこ止まり。でも、それぞれにもっと奥深いといいましょうか、これまでにない体験が詰まっていました。
 あれこれ書き出すと止まらなくなりますので、AppleTVだけ取り上げましょうか。トピックは、ゲームができることじゃなくって、テレビという家電製品を、根底からひっくり返してきたところにあります。そもそも、テレビってのは、コンテンツは欠かせない存在ではあるがゆえに、実のところ、そこばかりにしか目を向けておらず、大画面になろうと解像度を上げようとテレビという域を出られないでいました。さらには、いわゆるPCモニタとしての利用価値を加えただけで、それをスマートと呼んでいたりして、その使い勝手の悪さを含めて、どこか滑稽さを感じていました。
 新しいAppleTVは、そういった機能を加えたところにトピックなんぞ求めておらず、操作する上で音声認識機能であるSiriとタッチパッドを用いて、インターネットとコンテンツを繋いでしまいます。具体的な例を挙げますと、TV SHOWやMOVIEの視聴中に検索やソートを可能としたり、天気やら試合結果を割り込ませたりとか、できる。って、文字にするとたいしたことないんですが、実のところ、便利だし、オモシロイ。
 たとえば、テレビでも映画でもいいんですが、視聴中に興味を持ったことに対して何か調べたいという時、これまでは、いったん停止して、iPhoneやらiPadで別に調べていたりしたものが、Siriを使って訊いてしまうことができる。現在は、まだ俳優やら監督やら、そんなレベルのようではありますが。あとは、聞き逃した言葉を字幕で表示してとか、そんなこともできる。それを、リモコンのボタンを使って、カチカチと操作するんじゃなくって、言葉を発して操作する。
 それってのは、iPhoneにて、電話機とインターネットと音楽プレイヤーを繋いでしまった手法そのもの。ですから、新しいAppleTVをセットトップボックスという表現は違いますし、HBOやHuluといったコンテンツの取り込み、囲い込みにしても、商売ありきというよりは、検索するにおいて、操作するにおいては、AppleTV流のフォーマットへと砕いておく必要があるというのが主たる理由だと思うわけです。コンテンツ商売はついでに付いてきたようなもん、と捉えたほうがいいのかな、と。
 ゲームを含めたアプリケーションという機能は、たんなる付加されたひとつに過ぎないわけです。これまでのAppleTVもそうでしたが、その機能性をより高めるために必要な操作性を再定義し、利便性を超えた、そのものの愉しさを高めてしまう。PCがタブレットに置き換わろうと、それはパーソナルなデバイスであることには変わりありませんが、AppleTVは新しいインターフェイスであり、リビングの中心となるデバイスなんですね。
 というわけで、新しい体験ができますから、これは、買います、買います。ただ、あれなんですね、日本じゃ、たいして愉しくないんです。ほら、それこそ、コンテンツに対して、ガラパゴス的な囲い込みをしてしまっていますから。
 Keynoteでは、60minあたりからがAppleTVな見どころです。

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