#1195 何がいいって、全てが良かった、良すぎた、VW・パサート。

 フォルクスワーゲンのパサートです。その仕上がりがとてもいいことは、周囲からも、海外からも聞こえてきていましたので、悪いわけはないだろうと、試乗会へと出掛けてみれば、これがいい……を超えて、良すぎた、驚いた、ビックリした。と、そんな言葉しか出てこないぐらいに、良かった。そもそも、ゴルフ7から使われているMQBプラットフォームを採用したモデルの第二段ということもありましたし、ゴルフ7よりもアッパークラスなモデルですから、期待は大きかったわけですが、見事にその期待を裏切られました(もちろん良い意味で……)。
 ボディ剛性? Cクラスで感じた衝撃よりも強かったと感じたほどに高い。シャシーは、その動きがしなやかなこと、しなやかなこと。バウンドはもちろんですが、リバウンドのフィーリングが、コンフォートと剛性感をしっかりと作り込んでいて、もう、うっとりといった感にあふれています。19インチタイヤですら、不快に繋がる硬さが見当たらない。路面ギャップが大きいところでは別ですが、それぐらいにハイレベルに仕立ててあります。トントントン……、といった感じで、いなしてしまう、こなしてしまうといった、感じでしょうかね。ハンドリングもいうまでもなく、バランスされていて、操舵力、操舵感ともにとてもいい。ステアリングの戻りのフィーリングも、電動パワーステアリングたる不自然さがなくてとてもいい。従来モデル同様に、ステアリングの革も手にしっくりくるものを使っていて、好印象でしたしね。
 エンジンも、ターボとはいえ排気量は1.4Lですからパンチを感じないかもしれませんし、荒々しいパワーは期待できません。しかしですね、こやつとんでもないパフォーマンスを持っていまして、気がつけばとんでもない速度域へ導かれています。で、その仕立てが実にナチュラルフィールで、いい。とてもいい。いうまでもなく、低速域では扱いやすさがありますし、ここでも常々述べている、アイドリングストップ復活からのショックも消え去っていまして、さすがと言わんばかり。気筒休止モードは、ポロのブルーGTのあれこれを書いた#1165で語ったのと同じで、これもまた不満なし。つまりですね、これだけのボディながら、あれだけのパワーを発生させながら、実燃費は相当によさそうな気配もありました。こりゃ、能登行き決定ですな。
 と、書き始めたら、止まらない。そんな新しいパサートで最も印象的だったのは、個々がハイレベルに引き上げられつつも、どれひとつとしてそれを主張していない、つまりバランスが取れていることでしょうかね。発表前に行われた試乗会ではR-LIne(写真下・19インチ)とHighLine(写真上・17インチ)の両モデルに乗りましたが、好みはHighlineのほう。やっぱりね、しっとり感が見合うんです、パサートには。といいつつ、実はR-Lineとかなり迷ったのも事実。というぐらいに、R-lineの仕上がりも良かった。ちなみに、サスペンションそのものは同ボディで1セットだそうです。つまり16インチから19インチまでひとまとめだそうで、それもまた、いやはや、いやはや。そうそう、個人的に気になるのは、Trendlineの16インチですが。どうなんでしょうね、って、いいに決まっているんだろうなぁ。
 というわけで、#1176にて、このクラス(北米でメインとなっているミドルクラスサルーン)ではレガシィがトップだと書きましたが、変更します。パサートがトップです。各ブランドともに、このパサートをベンチマークにしなければならないって、追いつくのは、相当にたいへんだと思われます……。

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