#1187 まだまだ語り足りない、止まるところを知らない、能登の話。

 まだまだ、能登の話、あれこれ。朝のNHKのドラマや、映画や、北陸新幹線で、話題になっていますが、なっているとはいえ、やはり、それは分かりやすい能登だけに集中しているという話を聞きました、あちこちで。能登へやってきた人の多くはドラマの舞台となっている輪島までは足を運んでも、その先まで足を伸ばすことはなく、引き返してしまうそうで。まぁ、良くて、塩田と棚田まで。その先、特に珠洲市まで来るような人は少ない……、どころかほとんどいないとか。珠洲市を目的にやってくる人といえば、映画のロケ地を訪れるか……、って、そうそう、宿で出会った女性は、パワースポット巡りで足を運んだと言っていました。その方は、クルマを利用せずに、バスと徒歩でしたので、……、それこそ、このパターンは"マレ"だと思われます。
 とても個人的な意見になるのでしょうけど、能登は、観光スポット以外がおもしろい、見知らぬところに発見が多い、何もないところが楽しい、そんな地だと思っています。つまりですね、一般観光客と共用しなくてもいい、まさに、自分だけの場所がたくさんある、そんな地。といいますか、そんなところだらけ。そして、少し移動しただけで、その景色はがらりと変わる。富山湾側の内浦の穏やかさもいいし、日本海側の外浦の荒々しさもまたいい。どちらも、いい。奥能登の、ひと気のなさもいい。原発誘致で、町が大きく揺れたことを、すでに過去のものとして、スタートを切っているスタンスもいい。天気によって表情をがらり変えるところもいい。つまり、どれもいい。みんないい。
 食べ物なんて、どこでも、なんでも、美味しい。特別をアピールしているところへ足を運ばなくても、懐石だイタリアンだフレンチだに仕立てなくても、実のところ、地元の個人商店はもちろん、スーパーであっても十分だったりします。ただ、キャベツだけは、千葉県産ばかりを見かけましたが……。宿にしても、いわゆる旧態依然とした民宿が多いけど、ここにしかないがたくさん詰まった宿も、探せばある。
 前にも書きましたが、能登は日常の疲れやストレスを癒してくれる場だとは思っていません。これも前に書きましたが、リフレッシュさせてくれる場でもないと感じています。能登は、日常だと思い込んでいたあれこれのほうが非日常だと気づかせ、能登に流れゆく時こそが本来の日常であることを、教えてくれます。そして、そこにいると、これでいいんだ、これがいいんだを、見つけることができます。
 ボクが、能登を好きな理由は、それにつきるのです。

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