#1180 異端から主流へと変貌を遂げた(と思う)、新しいMINI Clubman。

 唐突に、MINI話。日本では、やはり5ドア人気が高いそうです。そりゃそうでしょな。ただ、だからといって3ドアの販売台数が奪われたわけでもないそうで、そこには、MINIブランドがそうそう簡単に揺るがない根幹(魅力)があります。ちなみにグレード別では、3ドア、5ドアともに、なんとクーパーSがトップで、続いてクーパー。ヨシダイチオシのONEはかなり少ないものの、モデル落ちさせるほどではないようで……。そのいちばん売れているというクーパーSの価格は、3ドアで318万円、5ドアで350万円ですから、もはや、手軽に買えるクルマではなくなっていますな。これは、ONEだと装備面で物足りない→クーパーが丁度いいかな→でもクーパーSはナビ標準装備?→価格差は52万円で、ナビが付いてくる上に、ホイールサイズもエンジンもそのほかあれこれと変わる→ならばクーパーSだよねという、誘導によるところも大きいかと。まぁ、そういう視点で眺めますと#1162で書きましたJohn Cooper Works(398万円〜)が、その上にいますから、結局のところ、JCWを買うことが、実はリーズナブル感はとても強くなります。そう、気がつくと、MINIなのに400万円。そうそう、MINIには、あれだけオプションが用意されていますから、ちょいと、あれこれと選びますと、ONEとて、300万円後半に。と思ったら、そういう方もいるそうですが、意外にもその辺りはきっぱりと締める方もいらっしゃるようです。いずれにしても、いかにMINIブランドがBMWグループにとってプラスになっているかが分かりますな。
 さて、そんなMINIのClubmanが本国にて正式に発表されました。少々前に発表されいてたコンセプトモデルで5ドアやらワイドになることやら、その概要は知っていたとはいえ、こうして製品化されてみると、まずは、なんだかなぁを感じるのも事実。らしくないってことですな。MINIらしくない、Clubmanらしくない。そもそも、Clubmanってのは、シューティングブレイクテイストを表現したモデルであって、今に求められる利便性を追求したところは認めたとしても、3ドアのあのバランスを、崩してしまった感はちょっと残念。いちばん上の写真のようにサイドから眺めると、ますますもって、違和感ばかりを覚えるのですが、プラスに捉えようとすると……、5ドアモデルが売れているったって、やっぱり、あのリアドアのサイズ(開口部)は、乗降性を語るには不足している面がありますから……、この新しいClubemanは、MINIのウィークポイント(それが良さでもあるんだけど)の多くを払拭したモデルと捉えることもできましょうかね。今更、狩猟する人というか、狩猟に使う人はいないし……、なんて考えると、現代流に訳したとも言えるんでしょうな、このモデルは。いかん、だんだん、よく見えてきた。
 もう少し細かにみていきますと、ボディサイズは全長4235mm、全幅1800mm、全高1460mmって、これ、ほとんどゴルフ7。荷室容量もゴルフの380Lに対して、360L。右の写真はラゲッジですが、スクエアな形状やら、リアシートは40:20:40分割可倒式から、使い勝手の良さを感じさせますし……。そうなんですね、さりげなく、Cセグに対抗できるモデルに仕立ててきたわけです。で、クーパーSには、とうとう8速ATか。ただ、今のところ、1.2LターボのONEはないようで、そんなあれこれから、ゴルフ7との比較対象にされつつも、あれこれは違うモデルであり、単純に横並びにされて価格や装備だけで、勝負とはならんでしょうな……。いずれにしても、MINIの中で、異端的な存在だったClubmanは、意外にも主流になるような気配も感じます。
 それにしても、ドイツ車のこのクラス(FF)のオモシロイこと。メルセデス・ベンツは、CLAシューティングブレイクを発表し、アウディはA3セダンを追加し、BMWは、7人乗りモデルの2シリーズグランツアラーをリリース、と。それぞれのブランドが、それぞれにキャタクターを立て、それぞれに特徴を謳い、まぁ、新しい提案それぞれの、興味深いこと、興味深いこと。もちろん、日本車にも新提案はあれこれありますが、その根本的な意味合いは、違いますな。

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