#1142 豊かな対話性にひたすらに感心した、ルノー ルーテシア ゼン(MT)。
#1138、#1140にて、書いた0.9Lターボ+5MTのモデルとは、ルノー・ルーテシア・ゼンでした。特別に隠していたわけではなく、そもそもこのキーワードからバレバレでしたし、ただ、たんに外観の写真がなかったのでモデル名を書きづらかっただけのこと。で、今日、ちょいと奥多摩を通過して山梨へ抜けてってな走り込みをしてきたので、クルマとして、まとめましょうかね。
最初から、なんですけど、いいです。とってもいいです。0.9Lターボエンジンは、小排気量ターボのわりに上手く躾けられていまして、簡単にいいますと、トルクの谷間やらターボラグを感じさせず、むしろ扱いやすさに感心してしまいます。極低速域、たとえばクラッチミート時でも、制御もあってのことですが問題なく。あ、坂道発進にてエンスト2度ほどしましたが、これはブレーキ保持制御の加減が分かりづらかったためのこと。エンジンに責任はありませぬ。
もちろん、0.9Lですから、エンジンフィーリングにパンチは期待できません。ただ、フラットなトルク特性と、低〜中回転域でそれなりに発生しているトルク量によって、これが……、速い。で、その加速感だって、スーッと美しくといった感にあふれています。つまりですね、高速道路の上り坂で"ぶち抜く"とか、そういうドライビングをする人でない限り、不満を覚えることはないでしょうってこと。
気になっていたMTのギア数、つまり5速であることは、意外にもウィークポイントになっていませんでした。高速で、もう1速欲しくなるんだろうな……と思ったら、わりとワイドな設定となっていまして、これもまた思ったほどの不足なく。もちろん、クロスしていたらな、と思うシーンはありますよ、ありますけどね、エンジンのフラットなトルク特性によって、ギア数というウィークポイントを上手くカバーしています。って、6速にして、重量を増したり、価格上昇させてしまうては、本末転倒だと思いますから。あとで、まとめますけど、5MTでいいんです、このモデルは。
で、さらに何がいいって、シャシー。そもそも、ルーテシアは、インテンス(#722)、GT(#958)とロングインプレッションを書いていますが、いずれもそのシャシーに大絶賛しています。で、このゼンも、よかった。なにがいいってバランスですな、バランス。しなやかと表現できるシャシーは、かつてのユルユルとは異なり、ちゃんと軸のある剛性感をベースに、その動きをスムーズにしたといった感にあふれています。結果、4輪ともにしっかりと路面をトレースしてくれて、緩やかなアンジュレーションシーンにさしかかろうものならば、そのなめらかたる動きにうっとりしてしまうほど。ちなみに、リアはトレーリングアーム式なんですけどね、いやはや、いやはや。といっても、それは、形式とは同じであるゴルフ7(ボトムグレード)レベルには届いておらず、そこにクラス差を感じますし……、って、これは当たり前のこと。トレース性にしても、細かな動きには追従しきれないところがあり、そこにクラス差、価格差を感じますが、価格やクラスを考えたらば、十二分に満足できます。
ハンドリングも好印象で、ワインディングがひたすらに愉しい。それはハイパワーとハイグリップによってもたらされる緊張感あるワインディングドライブではなく、手のひらに載せて全てをコントロールできるというような愉しさ。荷重移動を意識したドライビングをしながらコーナーへ飛び込んでいくと、ヨー→ロールへの移行にうっとりし、コーナーの深いところでのグリップ感と十分なグリップ力に感心します。といいつつ、オンセンターに曖昧さは見られるし、アンジュレーションがあるコーナーでは、タイヤがたわみ、そして戻ることで、ひと揺れを感じさせます。しかしですね、曖昧さったって、いい加減さではないですし、タイヤからのリバウンドだって、路面をトレースしたままで、グリップ感に変化を与えることなく、そして、揺れも1度で収めるというきれいな動きゆえに、まったくもって問題なし。そこにはリズムがあるんです。そのリズムを使うことがキーとも言えますな。
ちなみに、タイヤのグリップ力は決して高くはありませんが、低いわけでもなく、やはり問題なし。ブレーキも、本気で走ったら不足を感じますが、そこまで走れません、ってか、グリップ力の話も同じで、そこまでの対話はこのモデルには似合いません。先に書いたように、手のひらにおさまるというカジュアルスポーティにあふれています。
つまりですね、0.9Lターボ+5MTがもたらすキャラクターをしっかりとテーマに掲げて、それに見合った性能にすべてを仕立てているわけです。そうなんです、バランスがいい。クルマにとってバランスとは、愉しさに直結するもの。って、もう、ベタ褒め状態ですが、ほんと、ベタ褒め。ちなみに、価格やらタイヤサイズやら、MTであることやら考えますと、この、ルーテシア・ゼン・MTはヨシダイチオシモデル。走り込んでいくうちに、あと少しのトルクが欲しくなるシーンが多々あり、1.2LターボのインテンスかGTを選びたくなるかなと一瞬感じましたが、ただ、ゼンの十分であるあれこれと、その価格から低燃費まで考えると、その存在はむしろ際立ってくるか、と。この辺りの比較については、また、別にて書きましょうかね。
そうそう、いろんな方が、ここを見ているようなので、ひとつ書いておきましょうかね。現行型ルーテシア、ECOモードの仕立て方がとても上手いです。ノーマルモードとの違いを明確に仕立て、そして、使えるECOモードをきっちりと作り上げています。もちろん、インテンスも、このゼンも。GTにおいては、ECOではなくRSモードになりますが、あれも良くできています。というわけで、お? と思われた関係各位は、是非ご確認あれ。
最初から、なんですけど、いいです。とってもいいです。0.9Lターボエンジンは、小排気量ターボのわりに上手く躾けられていまして、簡単にいいますと、トルクの谷間やらターボラグを感じさせず、むしろ扱いやすさに感心してしまいます。極低速域、たとえばクラッチミート時でも、制御もあってのことですが問題なく。あ、坂道発進にてエンスト2度ほどしましたが、これはブレーキ保持制御の加減が分かりづらかったためのこと。エンジンに責任はありませぬ。
もちろん、0.9Lですから、エンジンフィーリングにパンチは期待できません。ただ、フラットなトルク特性と、低〜中回転域でそれなりに発生しているトルク量によって、これが……、速い。で、その加速感だって、スーッと美しくといった感にあふれています。つまりですね、高速道路の上り坂で"ぶち抜く"とか、そういうドライビングをする人でない限り、不満を覚えることはないでしょうってこと。
気になっていたMTのギア数、つまり5速であることは、意外にもウィークポイントになっていませんでした。高速で、もう1速欲しくなるんだろうな……と思ったら、わりとワイドな設定となっていまして、これもまた思ったほどの不足なく。もちろん、クロスしていたらな、と思うシーンはありますよ、ありますけどね、エンジンのフラットなトルク特性によって、ギア数というウィークポイントを上手くカバーしています。って、6速にして、重量を増したり、価格上昇させてしまうては、本末転倒だと思いますから。あとで、まとめますけど、5MTでいいんです、このモデルは。
で、さらに何がいいって、シャシー。そもそも、ルーテシアは、インテンス(#722)、GT(#958)とロングインプレッションを書いていますが、いずれもそのシャシーに大絶賛しています。で、このゼンも、よかった。なにがいいってバランスですな、バランス。しなやかと表現できるシャシーは、かつてのユルユルとは異なり、ちゃんと軸のある剛性感をベースに、その動きをスムーズにしたといった感にあふれています。結果、4輪ともにしっかりと路面をトレースしてくれて、緩やかなアンジュレーションシーンにさしかかろうものならば、そのなめらかたる動きにうっとりしてしまうほど。ちなみに、リアはトレーリングアーム式なんですけどね、いやはや、いやはや。といっても、それは、形式とは同じであるゴルフ7(ボトムグレード)レベルには届いておらず、そこにクラス差を感じますし……、って、これは当たり前のこと。トレース性にしても、細かな動きには追従しきれないところがあり、そこにクラス差、価格差を感じますが、価格やクラスを考えたらば、十二分に満足できます。
ハンドリングも好印象で、ワインディングがひたすらに愉しい。それはハイパワーとハイグリップによってもたらされる緊張感あるワインディングドライブではなく、手のひらに載せて全てをコントロールできるというような愉しさ。荷重移動を意識したドライビングをしながらコーナーへ飛び込んでいくと、ヨー→ロールへの移行にうっとりし、コーナーの深いところでのグリップ感と十分なグリップ力に感心します。といいつつ、オンセンターに曖昧さは見られるし、アンジュレーションがあるコーナーでは、タイヤがたわみ、そして戻ることで、ひと揺れを感じさせます。しかしですね、曖昧さったって、いい加減さではないですし、タイヤからのリバウンドだって、路面をトレースしたままで、グリップ感に変化を与えることなく、そして、揺れも1度で収めるというきれいな動きゆえに、まったくもって問題なし。そこにはリズムがあるんです。そのリズムを使うことがキーとも言えますな。
ちなみに、タイヤのグリップ力は決して高くはありませんが、低いわけでもなく、やはり問題なし。ブレーキも、本気で走ったら不足を感じますが、そこまで走れません、ってか、グリップ力の話も同じで、そこまでの対話はこのモデルには似合いません。先に書いたように、手のひらにおさまるというカジュアルスポーティにあふれています。
つまりですね、0.9Lターボ+5MTがもたらすキャラクターをしっかりとテーマに掲げて、それに見合った性能にすべてを仕立てているわけです。そうなんです、バランスがいい。クルマにとってバランスとは、愉しさに直結するもの。って、もう、ベタ褒め状態ですが、ほんと、ベタ褒め。ちなみに、価格やらタイヤサイズやら、MTであることやら考えますと、この、ルーテシア・ゼン・MTはヨシダイチオシモデル。走り込んでいくうちに、あと少しのトルクが欲しくなるシーンが多々あり、1.2LターボのインテンスかGTを選びたくなるかなと一瞬感じましたが、ただ、ゼンの十分であるあれこれと、その価格から低燃費まで考えると、その存在はむしろ際立ってくるか、と。この辺りの比較については、また、別にて書きましょうかね。
そうそう、いろんな方が、ここを見ているようなので、ひとつ書いておきましょうかね。現行型ルーテシア、ECOモードの仕立て方がとても上手いです。ノーマルモードとの違いを明確に仕立て、そして、使えるECOモードをきっちりと作り上げています。もちろん、インテンスも、このゼンも。GTにおいては、ECOではなくRSモードになりますが、あれも良くできています。というわけで、お? と思われた関係各位は、是非ご確認あれ。