#1104 高速域で真価を発揮するBMW2シリーズアクティブツアラー(日本仕様)。

 あのですね、と、唐突な書き始めではありますが、と、いうほどに、見えていませんでした。勘違いとは違う、見えていないかったというレベルの話。BMWの初のFFモデル、2シリーズアクティブツアラーの話。#1039でしっくり来ないと書き、#1081#1082で、なんとなく理解しつつもイマイチ理解できなかったと書いた、あのモデルの話。
 今回、試乗して分かったのですが、その真価が発揮されるのは、ずばり高速域です。とんでもないスタビリティと、素直さにあふれるハンドリングを披露します。真っすぐ走りゆく様と、そのフラットライド感にうっとりといった感じ。接地性の不足もまったくもって気になりません。というか、高速域ではしっかりと接地感が出てきます。
 そうなんですね、分かりましたよ、分かりました。日本に求められる全高1550mmを実現するために採用されたサスペンションは、全くの新規開発ではなく、スポーツサスをベースに、初期入力部にしなやかさを与えたチューニング(推測)。だから、日常では硬さを感じる。動いているんだけど、硬い。タイヤだけではない、硬さ。で、ストローク量が抑えられた分、大きな入力に対しては底付き感が出てくる、と。
 高速域では、それが一気に消え去ります。BMWの底力といわんばかりのスタビリティとハンドリングに、これ、FFだったよなと、改めて確認するほどに、スゴイ。強い雨の高速道路の継ぎ目(金属板)でも、タイヤが逃げようとするフィーリングなど感じません。そんな雨の中、下りのコーナーでもビシっと決まったままに駆け抜けてしまいます。まさに、天晴れ、天晴れ。ミニには届いていませんが、あの粘りというか、ねちっこさがしっかりとあります。エンジンはパンチはありませんけど、高回転まできっちりとパワーが出てきますから、速いのなんのって、BMWの2.0LNAレベルを超えていると思います。ま、運転の仕方にもよりますけど。まさに、やられた感に打ちのめされたとでもいいましょうかね、そんな感じ。
 でも、まぁ、考えてみれば、日常で感じるあの硬さってのは、高速域とのバーターであるわけで、そんなことをすっかり忘れていたのは、やはりモノスペースの標準仕様=コンフォートと捉えていたから。というわけで、このモデルの課題は見えています。ファインチューニングあるのみです。そんなこと、BMWは分かっているでしょうから、そのうちに、さらりと改良してくるでしょうな。

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