#1098 それぞれにキャラクターを表現していた、トゥアレグ、イヴォーグ、RS Q3。

 時間が経ってしまいましたが、輸入車試乗会でのあれこれの続きを書きましょうかね。SUVは3台に試乗しました。乗っておきたい、乗っておかねばならない、そんな3台です。
 まずは、VWのトゥアレグ。2世代目にスイッチし、んで、この度、改良されたモデルですな。2世代目トゥアレグに対しては、初代モデルの18インチタイヤに感じていた行き過ぎ感がまったくもって消え去っていまして、V6エンジンのフィーリングも含めて、その仕立てに感心していました。んが、改良モデルではそれがさらに高められていました。つまり、快適、快適。タイヤの転がりから、ステアリングフィールまで、この質感は、まさに最新のVWって感じでして、何が課題か、自らで分かっているんだなぁ、なんて、偉そうなことを感じました。この乗り味から、次のパサートの乗り味が想像できます。いや、プラットフォームは違いますけども。
 で、続いて試乗したのは、レンジローバー・イヴォークでしたが、これが良かった。トゥアレグで感じた、SUV的な乗り味やら質感やらとは異なるSUVの表現方法に驚いたとでもいいましょうか。重心高を感じさせないスポーティさと、しなやかさあふれるシャシーと、正確さを極めたハンドリングと、もはや脱帽状態。コイツ、以前よりも随分と良くなっていないかと思いつつ、タイヤサイズを確認したら20インチとなもし。もはや、コツコツ感すら見当たらない、その乗り味に感服。あ、エンジンも、トルクフルでして、先のシャシーチューニングと相まっての、バランス感にも打ちのめされました。
 アウディのQ3にSシリーズが加わった(RS Q3)というので、どこまでスポーティに仕立てたのかを確かめようと乗ってみれば、これが、ちゃんとハイパフォーマンスモデルになっていました。スパルタン手前のハイパフォーマンス。豪快と言わんばかりのトルクに、組み合わせとしてはあり得ないだろうと大排気量エンジンを想像してみれば、実のところ2.5Lターボ。相当にトルク出ているぞと思ったものの、意外にも最大トルクは400Nm。そのパワフル感の演出にオドロキを覚えつつ、すっ飛んでいきそうなのにタイヤをしっかりと接地させているシャシーに感激しつつ、タイヤサイズを確認してみれば、これがまた20インチ。といっても、255/35R20で、さらにイヴォークよりも低扁平率。それなのに、どうしてこんな快適な乗り心地が作れるんだろうというほどに、快適。ただ、乗り心地を確保した分としてストローク感が強く感じられるシーンがあり……、って、アウディが仕立てきっていないわけはなく、ひょっとしてこれって荒々しさを出すための演出か? と疑ったりもしましたが、って、たぶん意図的ですな。
 と、それぞれにちゃんとブランド性を作り込んだ上で、与えられたキャラクターをきっちりと表現していました。ちなみに、それぞれの車両本体価格ですが、トゥアレグは686万円、イヴォークが718万円、RS Q3は799万円。ここまでの金額になると、もはや不足や言い訳が見当たらなくなることを改めて感じましたけど、しっかりと仕立てていることにオドロキを覚えました。
 ちなみに、この3台だったら、どれを選ぶか。サイズ感とか、燃費とか、オフロードとか、関係なく、クルマとしての走行性能と、好みのバランスを考えると、イヴォークですな。実に良かったのですよ、イヴォーク。

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