#1083 好みの弾き手を見つけるに助かる、イマドキの楽曲プレビュー。

 どこかで書いたかもしれませんが、Mozartの楽曲はほぼ好きだったりします。しかし、Beethovenの楽曲に特段好きという曲はありません。いや、そんなことないか、と思い起こしたのが、あれ、Piano Sonata No.14。Moonlightというサブタイトル(!)が付けられた有名なあの曲。ただし、クラシック100やらに入る第1楽章ではなくって、第2楽章と第3楽章のほう。すごい構成のソナタだなと、小学生の頃に感心して、いつかは弾いてやるぞと思っていたものの、結局、叶わず、そんな憧れもあっての、好きな曲。今から練習せよ? もはやここまでは指も動きませぬ。
 で、そんなこんなでしたが、実は、弾き手によって、表現が大きく変わるのが、このソナタ。まぁ、第一楽章は、ほとんど同じ解釈(クラシックではこういうことが多い)なんですが、特に第3楽章は、それこそいろんな解釈がありまして、転んでまでスピード感を無理矢理求めたり、妙なためを作ってみたり、少々大げさというか、違うなぁと思う表現ばかりで、好みの弾き手にたどり着けずにいました。
 が、見つけた。それが、Stephen Kovacevichって弾き手。なんていうんでしょうかね、弾き手が表現し過ぎることなく、でも、教本的ではないという、絶妙なバランスがあります。第2楽章なんて、まさに、軽快さというよりもかろやかさを表現していて、理想といいますか、パーフェクト。第3楽章は、スピード感と、エレガントさと、悲壮感(!)と、ダイナミックさと、やはりパーフェクト。→(iTunesへ。アフィリエイトなし)
 ほほぅ、この人、どんな人だろうか(意外にピアニストを知らない)と検索してみれば、Myra Hessの弟子だったそうで。なるほど、どおりで、好みなわけだと。ちなみに、Myra Hessって方は、自分が生まれる前に、すでに亡くなっていますが、そのストレートな表現たる演奏は、小学生時分にやはりショックを受けました。分かりやすいところでは、バッハのカンタータを編曲した人で、ま、その弾き方はまさに本家そのもの。→(iTunesへ。アフィリエイトなし)
 それにしても、iTunes Storeやらのプレビューを利用することで、弾き手を探すのが楽になりました。今回は、50人ほど聴き比べてたどり着けましたが、これ、レコードやCDを買っていたら、とんでもない出費になっていましたから。

このブログの人気の投稿

#1297 イチオシに変わりなかった、ルノー ルーテシア ゼン MT。

#1113 5年目にして……、トラブルではなかった、後付けサンルーフのあれこれ。

#1735 快適すぎるし、愉しすぎる。想像していたその先に到達していた、プジョー308。