#1082 後発ゆえの分がある、BMW2シリーズアクティブツアラー。

 #1081のメルセデス・ベンツBクラスとBMWの2シリーズアクティブツアラーの話の続きです。
  比較すると、ようやくカタチにすることができた2シリーズアクティブツアラーと、2世代目、しかもその改良後モデルであるBクラスでは、Bクラスに分があるのは当然のこと。と同時にBMW側の課題も見えてきますし、後発ゆえの有利なポイントも浮き上がってきます。
 課題か、課題は、乗り味でしょうな。広報車がオプションとなる17インチホイールを履いていたこともあって、路面トレース性に不足、つまり、しなやかさに物足りなさ感じてしまうところがあります。個々は悪くはないのだけど、バランスが取りきれていないといった印象でしょうかね。あとは、1.5Lターボエンジンは3気筒ゆえの音・振動がありまして、ミニでは味と表現できたものの、このモデルのコンフォート感を表現したキャビンには、見合っていないような気がします。って、これもバランスの問題か。
 では、有利なポイント。パッケージでしょうな。といいますか、BMWでパッケージを語るようになるとは、ちょっと意外ではありますが、まぁ、このモデルはそうしたクルマですし、これからのBMWが何を目指そうとしているのかも、ここに見えてきます。で、両車、ホイールベースやボディサイズや、あれこれを単純に見比べていると、大きな差はないものの、ラゲッジルームの奥行きに明確な違いがあります。2シリーズアクティブツアラーのほうが奥行きがある。この差はどこから生まれてくるのだろうと比較してみたらば、リアゲートの形状でした。ゲートボトム部分をできるだけ後端としながら、そこを薄くしています。
 下の2枚の写真(上が2シリーズアクティブツアラー)がそれですが、スカッフプレート部(リアゲートボトムの厚みですな)とバンパー距離に違いがあることがわかります。つまり、ここでラゲッジルームの奥行き分を稼いでいると。ある意味、BMWらしくない設計ではありますが、後発モデルゆえの戦略でもありますな。ここまでのボディ設計の変更は、フルモデルチェンジまで待たねばなりませんから。と、考えると、次期Bクラスが、どうしてくるのかが、見物でもあります。
 あとは、パッケージに基づくキャビンの演出については、2シリーズアクティブツアラーでは、ルーフに1枚ガラスを用いたり、色使いやらで、広そう、快適そうを感じさせるのに対して、Bクラスは、スポーティさに通じるタイトさを感じさせる、という違いがあります。実際のサイズについては、細かにチェックしなかったので、またの機会としますが、こうしてあれこれを比べてみると、似て非なるといいますか、それぞれにアドバンテージがあります。
 ちなみに、全高1550mmに抑えたその手法(サスペンション)ですが、BMWはいつものようにもちろん日本専用設計。メルセデス・ベンツはスポーツサスでローダウンさせて対応(2世代目初期がそうでした。#377参照)かと思いきや、この乗り味、どう考えても違う。で、訊いてみたところ、2世代目でも途中から標準サスに置き換わっていたとのこと。こういった日本市場を見据えた対応(一部とはいえ)も、両ブランドともに、好印象なポイントだったりします。

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