#948 スポーティなレベルは想像以上だった、ルノー・ルーテシアGT。

 #947で記したクルマ、早々に車種がばれてしまいましたので白状しておきましょうか。ルノー・ルーテシアGTです。そう、パワーユニットはレギュラーモデルの1.2Lターボのままに、ルノースポールが仕立てたシャシーを組み込んだモデル。正直言って、期待半分でした。いくらルノースポールとはいえ、エンジンに手を加えずにシャシーだけ手を入れたとしても、それは中途半端になりやしないかって。
 このルーテシアは、以前、レギュラーモデルのインテンス(17インチタイヤ)にてロングドライブしていますが、#722にて書きましたように、全般的には好印象なものの、タイヤサイズが起因したシャシーとのアンバランス感が高速域のリバウンドストローク時に見られました。ただ、それはコンフォート感を求めてのことであり、そこに17インチと組み合わせたがゆえに、その動きが助長されているだけのこと。もちろん、そんなことはルノーも分かっていますし、何よりもルノースポールですから……、もちろん、このGTでは、そんな動きは見当たらず。
 このGTは、ルーテシアとしてのヒエラルキーを考えた時、上にRSがいることから、それらの中間に位置づけられています。ただですね、RSが相当にハイレベルなクルマゆえに、このGTのポジションもレギュラー+α程度、つまり、中途半端にするわけにはいかず、結果、想像以上にシャシーを引き締め、ポテンシャル(ポジション)をかなり引き上げてきました。スペック的には、フロントのスプリングレートを40%アップ、フロントの減衰力を30%したそうで、ゆえにその乗り味からは、フラット感は減り、細かな揺れが続きます。といっても、乗り心地という面では、悪いとは感じるシーンは少なく、これもまた美点かと。ちなみに、鋭いインプレッションをするゴルフ5(E)乗りの両親(後席専門)は、こっち(ルーテシアGT)のほうが乗り心地がいいとコメントを残しましたから、きっと悪くないんだと思います。フラット感は失われていても、その動きのほうに何かを感じ取ったんだと思われます。
 強いて、ウィークポイントをいえば、ECOモードがないこと。過去に書きましたが、ルーテシアのECOモードは、燃費や環境性能を期待できるだけではなく、そのフィーリングに扱いやすさが出てきます。そういった意味からするとノーマルモードでの、停止寸前、でも停まらない、そんな首都高の渋滞では、トルク不足→踏み込む→ブーストアップ→ブレーキを強いられ、少々の辛さがありました。
 ま、いずれにしても、とてもいい仕上がりです。で、価格は259万円(税込)となもし。インテンスが244.8万円であり、RSが307.5万円〜であることを考えると、いいんじゃないかな、って。ま、そもそものボトムが205.5万円であり、16インチの乗り味まで考えていくと、違うかなという見方もありますけどね。
 さて、この夏休み、ルーテシアGTは、どんな走りで惹きつけてくれるのか、楽しみですな。

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