#921 走りまで“艶”に彩られていた、プジョー・208XY(ヨシダイチオシ)。
で、いまさら語るべくもなく、良かった。とんでもなく良かった。1.6Lターボエンジンは、突然のレスポンスを強要しなければ、素直さが印象に残るフィーリングにあふれていまして、何よりも、中回転域のトルクに富んでいることが美点、美点、美点。そう、美点。やっぱりですね、どこが重要かって、2000〜3000rpmでのトルク感です。トルク量というよりは、トルク感。そこは、必要にして十分の加速と、ワクワクへと導く加速“感”にあふれていまして、この回転域を通すことで、もううっとりといった感が……。そして、シャシーは、プジョーのいわゆる猫足フィーリングにあふれておりまして、その路面トレース感にもうっとり。なんで、このクルマは、路面を離そうとしないのかね、と、ひとりごとをつぶやいてしまうほど。ただ、比較してみると、トレース性に優れているとはいっても、その直前まで乗っていたフォードのエコスポーツとは異なるもの。いうまでもなく、208XYはねっとり感にあふれています。
ハイパフォーマンスモデルである208GTiは、たしかにコーナリングスピードは速いかもしれませんが、こういった豊かな対話性に通じる愉しさは、この208XYのほうが上だと思います。ただ、この208XYとて、路面が荒れたところ、たとえば、路面変化が続いていないところ、つまり凹凸があるシーンでは、ドタンバタンが顔を出し、ストローク量に対してあと少しと、タイヤサイズの行き過ぎ感を覚えます。とは言っても、これ、20#シリーズなんですな。あまりの仕上がりの良さから、勝手に30#シリーズをなぞっていました。そう考えてみると、そもそも208シリーズはもちろん、この208XYはほんと良くできていると、そんなことも感じました。
そうそう、この208XYは、3ドア、ガラスルーフ、MTというキーワードだけをピックアップするとまさにヨシダ好みそのものですが、実は ボディカラーや室内にも使われているパープルに表現されているようなオシャレ感は、ヨシダにはありません。ま、そういう意味からしても、このモデルはヨシダが走るような峠越えルートではなく、路面につぎはぎのない“都会”向け仕様であることが見えてきます。
価格は278万円となもし。ヨシダ的には、いまいちばん買いのモデルです。唯一気になるのは、ルーテシアRSか。208GTiではなくて、ルーテシアRS。シャシーカップではなくって、シャシースポール(307.5万円)のほう。ま、位置づけが違いますが、価格差を考えると、とても気になる存在。って、考えていると、実は先日追加になったルーテシアGTが、猛烈に気になりますが。