#909 雑味はあっても基本性能が高いから、愉しい、フォード・エコスポーツ。

 #862で、ちょいと紹介しました、フォードのエコスポーツ。取材で借り出しつつ、週末にロングドライブを企んでいます。ほら、ETC割引(休日割・5割引)が6月一杯で終了しますから。ということで、今年後半のテーマは、下道ドライブ。いや、何でもかんでも下道っていうんじゃなくって、能登のように、下道で行っても愉しめるって、ドライブ。そう考えると行動範囲は……、今のところ能登以外に思い当たりませんな。
 で、エコスポーツ。ちょちょいとまずは400kmほど乗りましたが、これがやっぱりいい。以前にも書きましたが雑なところは多い。しかし、その雑味にアナログ感があふれておりまして、とんでもなく愉しい。あと少しのパンチが欲しいと思うところはあるものの、トルク感に不足がない1.5LNAエンジンも、十分といわんばかりの愉しさがあふれています。
 まぁ、何よりも特筆すべきはハンドリングですな。ヨーロッパフォードからの流れのモデルに対しての、ヨシダの絶賛ぶりはBMW以上だったりしますが、エコスポーツでそんなフォードらしさを読み取りつつ、再度分析してみました。はっきりいって、雑。しかし、その雑然とした中に、ダイレクト感がある。って表現をすると意味不明ですよね。C-MAXの時にも書きましたが、容量の大きいブッシュによって、あちこちに曖昧さがあるものの、ステアリングとタイヤが直結しているかのようなフィーリングがあり、そのリズム感を読み取れるようになると、一気に愉しさがあふれ出してきます。まさに懐の深いシャシーはオーバークオリティと言わんばかりのフィーリング。衝撃を容量の豊かなダンパーでしっかりと受け止めつつ、路面を確実にトレースし、コーナーではふんばるふんばる。とてつもなく愉しい、愉しい。でも、そこには雑に通じる、曖昧さがあるのも事実。たとえば、コーナーでは、すべてのスピード域において素直な挙動をみせるフィエスタに対して、エコスポーツでは高いスピード域では、リアのトー変化がワンテンポずれて発生します。ただ、それはリズムとして捉えられるレベルであり、そんなの気にならない。そう、不満にはなりませぬ。
 ボディ剛性もすこぶる高く、ボディ変形を感じさせない。つまり、安心感にあふれています。シートも、このクラスで、ここまでコストを掛けますかといわんばかり。何がスゴイって、腰からオケツに掛けてのサポート感がスゴイ。すっぽりはまる感とでもいいましょうか。以前、アクセラディーゼルにおいて、ケツでドライブするって話をしましたが、エコスポーツは、まさにそれ。ケツでのドライブを理想とするため、ケツを支える。ま、正論ですな。ちなみに、このケツで操縦するという感覚はカヤック的。すっぽりと入れた足をがに股にして、膝を突っ張らせて下半身で踏ん張るスタイル。ケツを振りつつ、パドル操作を組み合わせることで、動きを作り出す、そんな感覚。これぞクルマのシートにおける理想的なサポートデザインであり、サイ、サイド両方のサポートは、やはりサブであることを思い知らされます。
 と、まぁ、書き出したら、止まらない。ここから先は取材時へと繋がっていきますので、アップ(掲載)されてから、続きを書きましょう。あ、2枚目の写真は、取材風景(動画)。そうなんです、こんなところ走ったのですよ。もちろん、フォードジャパン了解済みです。

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