#839 たんに電気自動車です、では、語りきれぬ、BMW i3の真価。

 ほんとに市販するのかい? と思ったまま、とうとう市販されてしました、BMWのi3。EVですな。MINI-eで、BMWのEVたるポテンシャルはなんとなく想像はしていましたが、まさか、ここまで仕上げてくるとは思いもよらず。簡潔に表現するならば、電気自動車でありながら、しっかりとBMWしていました。
 何がスゴイって、乗り味は後回しにして、EVならではというテイストをこれでもかというぐらい表現していること。これまでの自動車という概念に捕らわれることなく、EVだからできることを、とことん表現しています。
 分かりやすいのは、このスタイリングですが、まぁ、インパネなんてのは、コンセプトカーのままですか? といわんばかりの仕上がり。リサイクル素材をそのままにテクスチャーとして利用したり、なんていうんでしょうかね、Apple流の表現を使うならば、再定義ですな。そんな、新しい提案をあれこれと発見するだけでも、ワクワクしてきます。
 で、乗り味。これが、まぁ、BMW。初モデルゆえに、あと少しはあれこれと感じますが、クルマに大切なのはトルク感ですといわんばかりの表現は、単純にモーター駆動だからという理由だけでは語れませぬ。極太トルクを伴って、とてつもない加速をしていきますが、シャシーがそれに伴っています。さらに、CFRP、つまり炭素繊維強化プラスティックの骨格は、とてつもないボディ強度を誇っており、先の加速感やら走行安定性を含めて、別次元。それは、EVだからというニュアンスとは異なる、別次元。違う乗り物といった感すらありました。
 で、ACCにしても、あれこれ操作していると、EVゆえに制御はシンプルであることが伝わってきます。こうなってくると、もはや内燃機関の可能性を探りつつ、ハイパフォーマンスや燃費性能、そして安全性を探るなら、とっととEVへ移行したほうがいいのでは? と思えたりもしました。
 BMWのアクティブハイブリッドモデルの時にも書きましたが、その技術のアドバンテージを生かして、製品として完成させてくることについては、やはり長けているとしか、いいようがありませぬ。モノの見方が異なるとでも言いましょうかね。ま、頃合いを見て、ロングドライブに持ち出しますので、あれやこれは、また、その時でも。
 ということで、そんな新しさに、愉しさが上手く表現されておりまして、とてもいいと感じた次第。ちなみに、リアシートは座面長が不足+膝裏が浮くことから、小柄な人向けといった感がありました。といっても、エマージェンシィ的というよりは、Bセグのリアシートといった感じかな。ただ、アップライトに座るので、不満はありませんが。

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