#819 ハイブリッドと福祉車両に感じた、ノア、ヴォクシーな可能性。

 写真は、昨日の都内のとある交差点ですが、新型ノア・ヴォクシーだけ5台が集結していました(自分の車両と、さらに右側に1台)。いや、プレス向け試乗会で一斉に公道へ出た車両が、たまたま信号で一緒になっただけのことなんですが。
 ノアヴォクについては、#781に書きましたが、今回はハイブリッドと福祉車両に焦点をあてた試乗会でした。ハイブリッドは、クローズドコースで試乗していますが、まぁ、いかんせん分からなかったことだらけでしたから、改めての試乗となりました。前回、2.0L+CVTがパワー感を含めて、いい仕上がりだったので、ハイブリッドは不要では? と感じましたが、今回、公道で試乗したところ、プラスされたパワー感やらその乗り味から、単なる経済性ではなくアッパーグレード感を作り上げようとしているスタイルが見え、あ、いいんじゃないと見方が変わりました。乗り味にはガソリン車の細かなコトコト感とは異なるしっとり感が加わっており、こうきたかと思って、そのことを開発陣に訊ねてみれば、ハイブリッドだからと意図的に変えていないと。ただ、遮音性のようにあえて手を入れたところもあると言いますから、そんな特別感をもっと明確にしたほうがいい、いや、そんな商品性に落とし込まねばならなかったのではないか、なんてことを感じました。
 考えてみると、ハイトのあるサードシート付きモデルでも、大きいのはもはや不要というダウサイジング的な流れが加速していますから、このクラスで、アッパークラス感を表現したグレードを仕立てることは、まさにイマドキであり、スマートな一案ではないかと思ったわけです。つまり、別格なノアヴォクとなもし。そこにハイブリッドユニットを用いるのは今のトヨタとしては正攻法。つまりですね、価格を無理矢理抑えるのではなく、憧れの存在として、もう少し高くして、ついでにハイブリッドユニットも2.5Lベースとしておけば、ストーリーとして上手く収まります。そう、1.8Lの限界ギリギリ感で、悩む必要もなくなると。ちなみに、ハイブリッドにガラスルーフもメーカーオプションのナビも取り付けられないのは、そんな限界ギリギリゆえのことだそうです
 そうそう、セカンドシートについて、スライドロックをリリースすると、自分の体重だけで(によって)、前方へと勝手にスライドしてしまう(フロアが傾斜しているため)件、子どもはこれで遊び始めて、危険ではないか? と、開発陣に伝えてきました。ら、今回の試乗会でそのことを指摘いただくたのは初めてでとても参考になります(現象はご存知だった)、とメモされていましたが、一介のライターの意見なのにと驚きつつ、そんなふうに受け取ってくれるスタイルに、今のトヨタのスタンスを見たような気がします。今回は、社内で使いたいからと動画でのコメントを求められましたが、そんなに役立つかいな? と思いつつ、意見を求められたことに自分のスタンスに少しだけ自信が持てたりもしましたが。
 話は戻しまして、今回の試乗会のもうひとつのトピックである福祉車両ですな。車いすのままに乗れる仕様にて車いす乗車体験をしてきましたが、今回のモデルは低床になったことで、乗った際の視界が大きく広げられていたことが印象に残りました。これまでは、フロアが高い上に、車いすによってさらに高いポジションにて座ることになり、景色が見えませんでしたから。その固定方法は相変わらず面倒でありながら、それらも体験してみないと分からないこと。
 そうそう、新型ノアヴォクでは、福祉車両として使わなくなった時、その装置を取り外して、シートを再び取り付けられることを謳っていました。たしかに、その機能が不要になった時=クルマそのものが不要になってしまっていましたから、こうして元に戻せることは、購入にあたっては大切なプラスになりますし、天晴れだと思いました。ただですね、その問題は、気軽にリースできること、もしくは、下取り、乗り換えを可能とすること、つまり、買い支えてくれることでも、なんとかできるんじゃないか、なんてことも思いましたが。
 それはさておき、どんなスタイルかはわかりませんが、誰しもがいつかは福祉車両に触れます。だから、どんなものかを知っておくことは大切です。

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