#802 異字同訓を使い分けられているか、再確認しました、って話。

 先日、文化庁から、異字同訓の使い分けについて、その用例の報告書が発表されました(→)。ひととおり目を通しましたが、文字を扱う仕事をしている者としては、すべて頭に入っている……、わけではなかった。逆に勘違いしていることがありました。あれです、乗り味が固いは、硬いだそうで。軟らかいの反意と考えると、そうでしたな。あらためます。魚をとるは、手で掴む意から、捕るではなくて、取るでもいいそうで。影は、光が遮られてできる黒いもの、陰は光の当たらない所と言われると、なるほどね、その漢字から判断できますな。
 もちろん、出版物、たとえ雑誌であってもそうした指針に従いながら、出版社や編集部それぞれに基準を作って、表現しています。といっても、朝日新聞社刊の“朝日新聞の用語の手引き”に準じているところが多いのかな。たとえば、形式名詞はひらがなを使います(手引きには漢字にしてもいいとありますが)。時→とき、事→こと、ってな具合に。それをちょっといじって、一時期、こと→コトなんて表現をしたこともありましたが、はたと行きすぎを感じて止めました。あとは、一般には気にされていないことかもしれませんが、送りがなく、音訓ともに読まれる漢字の場合、異なる読み方をされないようにひとつを開きます。たとえば「方」。あちらの方(ほう)から来ました、と、あちらの方(かた)からいただきました、といったように、2つの読み方(意味合い)が考えられる場合は、「ほう」と読むほうを開きますな。あちらのほうから来ました、となるわけですな。って、書きながら、読み方とか、読むほうとか、すでに文章中に使っていたりしますが。
 そうそう、朝日新聞のそれによると、人の数は、名ではなく、人を使うようにとありました。でも、自動車雑誌的には4名乗車と表記しますから、4人乗車って、なんか違うようにも思いますな。名が好ましくない理由をさぐってみればいいのか。なんてことを書いていたら、一つをひとつと開くと教わったのはどこでだったんだろうか、と思ったりしつつ、いずれにしても、あれこれと再確認するとおもしろいものです。
 ということで正しい表現をしてみましょうかね……、便宜を図って、時間を計りながら、長さを測ったり、重さを量ったり、そんなことを審議会に諮るなんてことを、謀ったりはしないよね、でも、小回りは利くし、ブレーキは効く……、って、最後に無理がありましたな。

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