#798 変わらずイチオシなれど、良さを伝えにくい、フォード・クーガ。

 輸入車試乗会では、ヨシダ・イチオシなモデルにも再試乗してきました。フォードのクーガ、やっぱりいいです。とってもいいです。とんでもなくいいです。という、あの印象は変わっておらず、今でもイチオシ。幸せにひたれますという表現を超えて、幸せ一杯な気分になれるってな、あの印象は変わっていませんでした。で、どのようにいいのかは#553にまとめてありますので、そちらに任せて、ここでは違う話を。
 今回、初めて乗ったという同乗者に、悪いとは言わせんばかりにいいでしょ? と感想を訊いたところ、とってもいいと思う、けど、このよさは普通に乗っている人にどこまで分かってもらえるかな、とのコメントが返ってきました。なるほどね、言われて気付きましたが、そうかもしれません。というのも、たとえば、ハンドリングだけをピックアップするとですね、クーガのハンドリングは、クルマをコントロールするのに必要な要素だけを抽出し、そして吟味してこのフィーリングを作り上げています。そこには高級感やら質感といった演出はなく、いい訳のないスッピンともいえる本質のみが存在しています。といっても、レーシングモデルのようなスッピンとは異なる、公道を走るクルマとしての理想たるスッピンさのことです。
 だからといって、違いそのものを感じ取れないわけではありません。それは、ちょいとそこまで買い物へ出かけるにしても、何かが違う、これまでと違うことは誰しも感じ取れるものです。分かってもらえるかな? というのは、それがいいことなのか、悪いことなのかを判断できるかってところの話。つまり、評価できるか否か。まぁ、これは経験値がないと分からないところでもありますが、そのままに乗り続けるか、ハンドリングを意図的に愉しむかをすれば、理解してもらえるはず。そして、やがてクーガのハンドリングに慣れてしまうと、ほか(いろいろありますけど)に乗った瞬間に、なんだこの頼りなさは……、と感じてしまうはずなのです。普通と思っていたら、実はすごく奥深かったとでも言いましょうかね。
 あれだ、ドイツ車のシートに座って→いつもと違うのは分かるけど、いいのかはわからない→あれ、疲れない→あれ、快適→もう戻れない。そんな流れに似ていますな。
 ということで、クーガの分かりづらい、でもとってもいいって、話でした。一度、お試しあれ。

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