#782 その仕上がりのよさにベタ惚れしまった、高額な3台のSUV。

 さて、続いて輸入車試乗会の話。今年は14台に乗ってきました。過去最高です。当初は9台の予定でしたが、当日に追加して、気がついたら14台。で、まずは、かなり価格の高いSUV3台、でも、いずれもオフロードを走れると謳っているモデルから。
 レンジローバーは、どうして、いつまで経ってもレンジローバーなんでしょうかねってぐらいに、レンジローバーしていました。まずヴォーグは、サスペンションストロークの豊かさに、さらなる質感を作りつつ、そこに的確な躾(減衰)を与えていまして、もはやうっとりしてしまいます。豊かな乗り味とはなんぞやを分かりきっていますし、それをちゃんと仕立てている。もちろん、コーナーでのロールなんぞ、当たり前のように抑え込んであって、ちゃんと価格なりに、技術を惜しみなく投入しましたといわんばかり。あの乗り味でありながら、タイヤを見れば20インチ。どうして、こんな重たいタイヤ(+ホイール)をあそこまで押さえ込めるの? といった感じ。もはや、ごめんなさい、降参しますと言いたくなってしまいました。参りました。
 一方のレンジローバースポーツは、ようやくそのポジションとコンセプトを明確に表現できたような気がします。そう、イマドキのSUV的な乗り味を作り上げていまして、ヴォーグとは異なるモデルであることを、自らの価値としてちゃんと表現しています。スポーツとは名乗っていますが、レンジローバーらしさがベースになっており、BMWのX5ほどのスポーティ感は演出していません。なんていうんでしょうかね、ヴォーグのゆったり感を嫌う人は、これならば満足できるでしょうと言わんばかりの作り込み。つまり、いわゆるクイック感に通じるようなスポーティさは見当たりません。気品を保ったままに、そこにスポーティというテイストを採り入れたといわんばかりの、その仕立て方がとてもいいのです。感服しました。
 メルセデスベンツのGクラスに試乗するのは久しぶりでした。21世紀に入ってから旧態依然としたハードウェアのままにイマドキになることを命じられたために、どこかちぐはぐなモデルになってしまったという印象で止まっていたのですが、失礼、随分と変わっていました。というか、とってもいい。エンジンは最新のV6ディーゼルですが、ペダルの踏ませ方は昔のまんま。手前でちょろっと踏み込んだところで回転数を上げません。そう、踏み込まないとダメ。いやー、懐かしいというか、もう、最高。キャビンはいくらイマドキで飾ろうともノスタルジー感覚にあふれています。ウエストラインが低いことやら、ボンネットが全て見えることやら、アップライトなシートポジションやら、もう最高。もちろん、パワーフィールはトルク感にあふれつつ、扱いやすさがあり、脱帽。シャシーも随分と質感を与えられて、ストローク感を上手く生かしつつ、適度に規制している感があって、好印象。いやはやいやはや。惚れました。恋してしまいました。
 えっとですね、この3台、どれもベタ褒めならぬ、ベタ惚れ状態なんですが、個人的な好みにピッタリなのはGクラス。これぞ、まさに次期愛車候補として、トップに躍り出ました。というか、これ、とてもいい。ちなみに、車両本体価格は989万円なり。うーむ。

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