#776 プラットフォームは格下げでも、志は変わらずだった、3世代目ハリアー。

  3日連続の試乗会において、試乗したクルマの総台数は6+14+8=28台となりました。ヨシダの記憶容量は少ないのですが、どのモデルもごちゃ混ぜにはなっていません。それは、印象に残るクルマだらけだったからです。初日の6台のうちの1台はすでに#775にて書きました。で、そのうちの残りの5台はエンバーゴが掛かっていますので、まだ書けず。2日目の14台は簡単にはまとめきれず。ということで、3日目の8台について先に書きましょうかね。その内訳はハリアー(5台)とノア・ヴォクシー(3台)でした。
 で、ハリアーから。観点はどこまでハリアーを表現しきれていたかにありましたが、合格点を出せるレベルになっていると感じました。インテリアの質感については、本革テイストを作り上げたパネル、タッチパネルを大胆に使ったセンタークラスターデザインやら、あれこれギミックも含めて、ハリアーらしさを感じました。そう、ハリアーらしさ。で、走りについては、まず、2.0L+CVTはネガに捉えなくていいと思います。過去の直4/2.4L+ATは、やはり無理があったことを振り返らせてしまうといえば、分かりやすいでしょうかね。過去のハリアーはV6もしくはハイブリッドでその世界観を完結させており、個人的には必須ユニットと捉えていましたが、今回は直4でもいいんじゃないと言える仕上がりになっています。簡単に言いますと非力感がない、つまりは、トルク感がある。だから、不足なし。もちろん、CVTの助けもあってのことですが。ただ、直4ゆえのフィーリングは音、振動といった面から、ハイブリッドに表現された新しいハリアー感には届いていません。ま、当たり前か。
 乗り味は、高速域でのスタビリティに長けており、その分、日常域ではもう少し路面を“美しく”トレースして欲しいと思うところもありましたが、まぁ、これは、不満があるというよりは、このプラットフォームゆえということと、高速域での云々とのバーターであると捉えると、十分に理解できるところです。コーナーでは、必要な分だけロールさせるってチューニングをしています。当たり前の表現ですが、余計な動きをさせない、その動きに質感があるという意味合いであって、それは、ロール剛性とロールフィーリングのバランスがとてもよく、まさに、荷重移動を意識しながらのドライビングが愉しい、そんな仕上がりのことですな。表現を変えますと、送りハンドル操作が愉しめるクルマになっておりまして、これは過去のハリアーよりステップアップしたなと感じるところですし、変わりつつあるトヨタ車の変化とも捉えることができるものです。
 その一方で、従来のハリアーよりもおや? を感じたところもあります。ガソリンモデルにおいて、エンジンの特定回転域で振動を消し切れていないところが2か所あり、そのうち1500回転以下、つまり、日常域においてパーシャルで走っているような時、ペダル、ステアリング、シフトから細かな振動が伝わってきます。細かなんですがクルマから下りてもそれが手に残ってしまうもので、快適性と上質感を謳うハリアーのコンセプトから、少し外れてしまっていることを感じました。開発陣に訊いてみれば、もちろん認識しており、消し去るべく改良を進めているとのことでした。
 まぁ、それにしても、新MCプラットフォームでここまでのタイヤサイズを良く抑え込みましたといった感があります。ほかモデルですでに実現はしていましたが、さらにブラッシュアップされた感があります。17と18インチでしたら、んー、難しいな、17インチを選ぶかな。18インチは質感が高いことが魅力ですが、サイズなりのゴツゴツが存在していますし、一方、17インチはそのサイズから期待されるほどのコンフォート感には届いていないものの、むしろケース剛性が高くスポーティさが印象に残ります。ゆえに、17インチかな。誰かを乗せる機会が多いならば、なおさらに。
 2WDと4WDは、やはり2WDの軽快さが好印象でしたが、4WDの安定性にも魅力があると思いました。ということで、スノードライブへ良く出かけるならば4WDって選択でいいと思われます。
 気がつけば、文字数が多くなっていました。ノア・ヴォクシーについては、次へ送りましょう。

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