#760 ワクワクさせてくれるクルマだった、ルノー・キャプチャー。
さてと、試乗会レポート、第二弾と行きましょうか。今日はルノー・キャプチャー編。あれです、#294
でも触れていますが、前回の東京モーターショーにも出品されたルノー・キャプチャー(あの時はコンセプトカー)の市販モデルですな。ま、#722にて、ベースになったルーテシアをあれだけベタぼめしていますから、そうなんです、悪いだろうとは思っていませんでしたし、実際に良かった。というか、単なるルーテシアの派生種ともちょっとニュアンスが違っていました。
クルマのあれこれを語る前に、まずはデザイン戦略の話についておきましょうか。最近のルノーデザインには、発見が多くて、見れば見るほどに惹かれています。それは、昔からではありますが、今回のデザインステージは、ストーリー性やら深いあれこれがあり、過去とは少々違っています。簡単に言いますとね、The Circle of Lifeってテーマが、新しいチーフデザイナーであるローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏によって掲げられました。人ってのは様々なライフステージがあって、クルマもそれに寄り添うことが大切だって、簡単にいうとそんなテーマ性。だからといってですね、なるほどねー、ミニバンはやっぱり必要だよねー、とかそういうレベルの話ではないんですよ。どういうことかと言いますとね、まず、人は恋に落ちて人生の愉しさを知り、二人での冒険にワクワクを覚え、やがては家族となって、働き、遊び、そして、知を得て、人生を深めていくというサークル。サイクルじゃなくって、サークル。で、そのサークルの中のどこかに、皆、当てはまるんだそうです。年齢やら関係なく。クルマはそんなスタイルに合わせていくべきだというデザイン戦略ですな。まぁ、ここで、ほほぅと思われた方は、新しいルノーを受け入れられると思います。でも、ここで、なんじゃそりゃと思った方は、近づかないほうがいいのかもしれません。ま、興味をもたれたならば→■
をご覧あれ。
話を戻しまして、えっと、実はこれまでのルノーにはそういったデザインにおけるストーリー性が欠けていたんだそうです。ルノーってのは、デザインがあって、そこにストーリーがあるもんだとばっかり思っていたんですけど、そう言われてみますと、それぞれのデザインに理由があるようで実はなかったりするし、次へのつながりもない、か。なるほどね、そうですな。そういえば、10年前にフランスで、それがルノーのデザインなんだなんて話を訊いたことを思い出しまました。で、そのThe Circle of Lifeの第二弾であるEXPLOREたるモデルが、このキャプチャー。もう、この時点で、なるほどね、なるほどね、といった感がありました。冒険ね、冒険か、いいね、冒険、といった感じですな。この時点で、もうやられた感にあふれていますな。走行性能的な話をしますと、ルーテシア(スタンダードモデル)をベースに語りますと、あれよりもシャシーセッティングにコストを掛けている感がとても強くありました。まず、リバウンドストロークが美しいこと、美しいこと。試乗したのはインテンス(17インチタイヤ)でしたが、ドタバタをわずかに感じさせつつも、曖昧さを消し去って、シャシーのしなやかさを強調するようなフィーリングにあふれており、とても良かった。ただ、走行距離が少ないこともあって、まだ渋さが残っていましたし、オンセンターに曖昧さがありましたが、この辺りは走り込むと大きく変わってくるそうですので、そんな期待を込めての表現でもありますけどね。1.2Lターボエンジン? あ、あのフィーリングのまま。少々ローギアード気味ではありますけど、それが高揚感とトルク感とを大きく引き上げておりまして、とんでもなくいい。
そして、シートに座った時にため息がもれてしまうあの心地よさはもちろんですけど、そのシートポジションが、シートのよさをさらに引き上げておりまして、もはや絶品の域に達しています。それって、SUVたるアップライトポジションなんですが、なんですが、それがシートデザインとすごく見合っているというあのやられた感。リアシートの心地よさももちろんで、さらにはリクライニングを許さないことや、鎖骨にシートベルトがしっかりとかけているというスタンスにも感服でした。
試乗したモデルは、アイボリーホワイトにブラックのルーフという組み合わせでしたが、これが、またよかった。基本的にホワイト系は好みではありませんが、これならば許せるというか、これとってもアリだなと思いました。いや、ブルーもオレンジもとってもいいのですが。