#753 プロトタイプであってもハイレベルだったレヴォーグのポテンシャル。
2つのターボユニットは、まず、1.6Lは想像以上のパワー感があって新世代のスバルパワーユニットたるポテンシャルを強く感じました。これで十二分。これだけのパワーを発生しながらレギュラーだし。となると、2.0Lは不要かなと思ってしまうのですが、サーキットでは2.0Lなりのパンチが愉しさを引き出しておりまして、これもまたいい。特に、レガシィの2.0Lよりも高回転でのタレがなかったりしまして、そこにも、選びたくなる理由が強くあります。
ただ、レヴォーグが狙った軽快感を素直に表現しているのは、やっぱり1.6Lのほうかなと思いました。SIドライブのIモードでは、そのぐらいのパワーが欲しいの? ならばこんなもんでどうだい? といわんばかりに3000回転内でどうにかしてくれるし、同じくSモードでは、それならばパワーだそうか? といわんばかりにさっと4000回転へ誘い、そのまま高回転域へ殴り込みをかけるかのように飛び込んでいきます。CVTも、スバル新世代モデルたるフィーリングで、ダイレクト感をかなり強めており、そこにはレヴォーグの前後で線が引かれたかのような違いがあります。
で、気になるGT-Sは、そんなフィーリングは見当たらず、まさにスタビリティの高さをダイレクトに感じ取れます。ただし、ビルシュタインダンパーゆえのつっぱり感がわずかにあり、乗り心地においてあと1歩がありましたが、これも量産までには、その乗り味を完結させるとのことでした。
と、さらっと書いただけで、こんな感じ。ちなみに、個人的にポイントが高かったのは、本革巻きステアリングホイール。D型シェイプは、ステアリング操作は送りでよろしくといわんばかりで好印象でしたが、それだけに留まらず、その触感がとても良かった。フォルクスワーゲンのパサート風(実はすごくいい)ともいえる、しっとり感、ソフト感、馴染み感、暖かみ、スポーティさ、というすべてを備えていまして、ふっと気付けば、そんな触感とレヴォーグの走りやらデザインが、ちゃんとリンクしていることに気付きました。さらに、ブレーキのタッチまで、ステアリングホイールの触感に近い、そんな印象を受けたほどです。
あとは、あれか、アイサイトVer.3。こちらも大きく進化していました。プリクラッシュブレーキは表現方法を突き詰めて、違和感の少ないフィーリングを手に入れていますし、新機能である操舵アシストも、とても、とても、とても、いい。その邪魔しない加減がとてもいい。今回は試す機会がありませんが、先行車追従クルーズコントロール機能も、相当なステップアップを果たしているそうです。より、ドライバビリティ優先という印象を強めていますし、次世代を強く感じさせる仕上がりとなっていました。そうなのです、このアイサイトにしても、レヴォーグらしさにあふれていました。
ま、そんなあれこれは、次号のクラブレガシィに書きますが。ということで、市販モデルが待ち遠しくあります。と、久しぶりのベタ褒めでした。久しぶりじゃないか。あ、ビートルカブリオレを褒めちぎったばかりでしたっけ。