#707 ヴェルファイアG'sが導きだした、この方向性でのベストな回答。

 #693にて書いたアルファード、いやいやヴェルファイアの記事ですが、早々とアップされていました(→)。見事なまでに修正されており、んー、作りも含めて、素晴らしいのひとこと。
 さて、ここでは、ヴェルファイアのG'sについて語りきれなかったこと、書かなかったことを書いておきましょかね。個人的には、必要のないクルマですが、訊かれたら、いいんじゃないでしょうかと言える仕上がりとなっていました。そもそも、って、たしかデビュー時の試乗会かなんかで書いたんですが、アルヴェルは、トヨタが狙った走行性能と、皆さんが想像している乗り味に、大きなズレがあります。グランドツーリングとは異なる、クルージングモデルとして、ゆったりとした乗り味を作り上げており、おおらかさがあります。特に16インチはその傾向が強く、というか、これを作りたかったんだろうなが明確に表現されているモデルです。
 つまりですね、クルマと対話せずに我を押しつける、ぐらぐらとかふらふらとか言われてしまうモデルです。逆にいえば、いろいろと探るようにドライビングすると、快適性があふれ出てくるモデルです。そうなんです、それを狙って作られたのがこのアルヴェルなのです。だから、人を乗せるミニバンを選んだのに、あれこれをクルマのせいにするのは少々違うような気がします。このクルマはロールが出るのではなく、ロールを上手く使ったドライビングを求めるクルマです。だから、自らを合わせないと。そして、どんなクルマでも、人を乗せたならば不安を感じさせないように走らせること。ドライバーのスキルってのはそこで試されるもんだと思うのですが。サーキットだけじゃなくってさ。レースドライバーの方って、普段も上手いです、ほんと。
 ということで、このG's。ボディのスポット増しまで行い、19インチタイヤを収めながら、ほどよい加減を作り上げていました。我慢できる範囲、許される範囲とでも言いましょうか。スポーティな走りよりも、ベースが目指した乗り味をどこまで損なわずに済ませられるかに、開発の焦点が当てられたような印象すらあります。シャシーセッティングは荷重移動を許すものであり、動きに精密さが与えられたことで、それを感じつつコントロールして走りゆくのがとても愉しい。つまり、クルマの愉しさたる基本性能を忘れてはいませんでした。
 ただ、19インチゆえに、入力の大きなシーンでは、ドタンバタンが顔を出し、ボディそのものの剛性が不足していることを意識させます。って、不足をこれ以上補うのは、無理です、これだけ大柄なボディで、開口部だらけのボディなんですから。そうなんです、この方向性としては、販売価格を含めて、これがベストな回答なんだと思います。だから、いいんじゃない、となるわけです。これ以上は次期型で、って、話になるような気がしました。

このブログの人気の投稿

#1297 イチオシに変わりなかった、ルノー ルーテシア ゼン MT。

#1113 5年目にして……、トラブルではなかった、後付けサンルーフのあれこれ。

#1735 快適すぎるし、愉しすぎる。想像していたその先に到達していた、プジョー308。