#688 いやはやいやはや、ひたすらいやはやな、アクセラ1.5L+MTモデル。

 あのですね、アクセラ、とてもいいです。マツダのアクセラ。皆さん、同じことを言ってると思いますが、1.5LのMTがとてもよかった。それは、絶対的なポテンシャルではなく、価格から走りまで含めたバランスの話といいつつも、そもそも走りがとんでもなくよかった。イイクルマってのは、決してハイスペックとは限らないんです、そうなんです。
 それにしても、最近のマツダは、向かっている先が、見ている方向が明確で、ブレがとても少ないと感じます。つまり、ブランド性を強く表現されています。これまでも方向性はありましたが、各車の個性が強くて、そのラインが少々ぶれていたように思います。いい意味でのブレね。このブレの少なさを強く感じたのは、やはりCX-5からですが、アテンザによってさらに強められ、そして、アクセラへと着地しています。というか、実は着地先はまだあるようなのですが、ま、そんなロードマップが見えていることも、アクセラの好印象につながっています。さらには、モーターショーでのブースの作り方から、好き嫌いは別にした商品のデザイン、そして、マーケティングにおけるまで、その方向性が明確に、そして強い意志のもとに表現されていることを感じます。だから、期待感も含めて、安心感と期待感が持てるようになっているのだと。
 で、アクセラ。プラットフォームのポテンシャルから推測するにおおよその乗り味を推測していましたが、それを大きく超えていました。シャシーにしなやかさを与えようとしていることは、CX-5とアテンザから垣間見えていましたが、それを実現しきれていない感じが残っていました、特に19インチは。ただ、あれか、アテンザのガソリン2.0L+17インチは、あとわずかまで来ていたか。ま、いずれにしても、アクセラでは合格点レベルまで引き上げられておりまして、はっきり言ってしまうと、クラス感はさておき、その2台を追い越していたと思います。
 2.0L+18インチもとてもよくまとめていましたが、バランスがいいと感じたのは1.5L+16インチのほう。転がり抵抗をかなり優先したタイヤを採用したとのことでしたが、それなのにしっかりとはっきりと接地感があり、もはやうっとり。そこに豊かさあふれるシャシーの動きが加わり、さらにうっとり。もちろん、路面が荒れたシーンではコトンを見せますが、凹凸レベルに比例した衝撃になっており、突然のドタンもなければ、いきなりのバタンもない。つまり、とてもいい。ハンドリングもオンセンターから戻しまで含めて、操舵感にあふれ、ナチュラルな操縦性が心地よさを作り上げてます。つまり、スポーティ。そう、結果としてスポーティ。クイックではないのにスポーティ。天晴れなスポーティ。
 エンジンもトルク感を大切にしたフィーリングで、フラットに持ち込んでいることで扱いやすさにあふれいましたし、さらには3000回転前後でのトルク感が愉しさにつながる表現をしていました。これ、1.5Lの話ね。もちろん、NA。2.0Lもとても良かったのですが、1.5Lに乗ってしまうと心は一気に1.5Lへと向いてしまいます。それほどに1.5L搭載モデルのバランスが良かったのですよ。ただ、2.0Lがベストという同業者の知り合いもいましたから、好みもあるようですな。ハイブリッドは、まぁ、またの機会に書きますが、よくここまでマツダ風味に仕上げましたね、といった感があり、こちらももちろん好印象でした。
 ちなみに、今回のアクセラでいちばん感激したのは、ステアリングの位置。ドライバーのど真ん中にありました。当たり前でしょ? って、当たり前ではないんです、これが。多くのクルマは、オフセットしているんです。
 あ、13年12月6日現在、このアクセラは国産車(新車)の中では2番目にヨシダオススメなモデルです、もちろん1.5L+MT。え、ベスト? ロードスターです。アクセラの次? フォレスター、で、デリカD:5(ディーゼル)って感じでしょうか。いや、ユーティリティとかSUVとか、そういう観点じゃなくって、価格を含めたクルマとしてのベストバランスって意味合いで。ここまでにXVが入っていないのは、やはり、路面を選んでしまうところがまだ残っているから。言い換えれば、やはりタイヤサイズの行き過ぎがマイナスになっていると感じるシーンがある、と。そう、あと1歩なんですけどね。

このブログの人気の投稿

#1297 イチオシに変わりなかった、ルノー ルーテシア ゼン MT。

#1113 5年目にして……、トラブルではなかった、後付けサンルーフのあれこれ。

#1735 快適すぎるし、愉しすぎる。想像していたその先に到達していた、プジョー308。