#641 歌い手たる薬師丸ひろ子を上手く表現した、中島みゆきの曲、の話。

 薬師丸ひろ子って、女優さんがいますが、歌も歌ってます、なんてことを言わなくても、ご存知のとおり。で、ですね、昔、といっても25年ぐらい前に、中島みゆきの曲を歌ったことがあったんです。いや、時代じゃなくって。2曲。未完成(iTunes視聴→)と空港日誌。シングルではなく、アルバムに入ったんですが、ともにA面の最後とB面の最後というたいそうな扱いとなりました、たしか。あ、画像は掲載するためにいつものごとくamazonへのアフィリエイトを貼ってありますので、ご理解を。
 この曲が世に出る時に、対談だったのか、なんだったのかは忘れましたが、中島みゆき自身が、薬師丸ひろ子の声には清楚な中にトゲがあり、それを表現した楽曲にしたかった話をしていました。実際、提供された2曲は、それが実によく表現された歌となっており、高校生ながらすごいなぁと思った覚えがあります。いや、浪人生だったか。
 そうそう、アレンジは椎名和夫なんですが、あの当時の椎名和夫サウンドが全開といった感じ。なんでしょうね、シンセ+打ち込みと語ってしまえば、それまでなんですが、そのサウンドには暗さというか、重たさにあふれていていまして、音色はどの曲も似ているんですが、色があって、主張が明確であって、個人的に、こういう音の作り方は嫌いじゃなかったりします。ま、このことについては、また別の機会に書きましょうかね。
 で、そこに薬師丸ひろ子の、あのライトかつ不安定な声が重ねられているのですが、それは、まさにアンバランスたるバランス感にあふれており、いい感じの心地よさを生んでいます。特に空港日誌は、広島空港でのエピソードやらが、曲の中にうまく表現されていると思いました、ほんと。
 そして、今更に聴き直してみても、やはり、歌い手次第、アレンジ次第を感じるわけです。プロデューサー次第とも言いますな。先日の華原朋美にも通じる話です。そういえば、20年以上も前のこと、テキトーに作った曲を、とあることをきかっけとして、プロにアレンジしてもらったことがあるのですが、どうでもいい曲だったのに、自分で聴いても、名曲になってしまったことがありました。そこに、まさに、プロデューサー次第を感じましたっけ。

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