#596 これでいい、これがいい、を愉しませてくれるシトロエンDS3カブリオ。

  一連のドライブの締めくくりは、シトロエンのDS3カブリオの試乗会となりました。で、写真右側がDS3カブリオなんですが、レギュラーモデルのハッチバックなDS3にしか見えないのは、まさにマジックというかトリックだそうで。そう、そのコンセプトのひとつは、まさにDS3であること。ほほぅ、なかなかやりますな、よく分かってるじゃん、と試乗前からそんなことを思ったりしましたが、これがいい仕上がりを見せていました。まぁ、皆、気になっているのは、ただのオープンモデルなのか、どうかってことなんですが、結論から言いますと、ただのオープンモデルではありませんでした。
 クルマたる性能は、レギュラーモデルよりも断然いい。その理由は重量バランスにあるようで、乗り味を上手く作り上げていました。本日はレギュラーモデルにも試乗したんですが、あちらはサスペンションが固い印象が強く、路面が荒れたところではパタパタと落ち着きがなくなります。まぁ、ヤンチャモデルゆえに仕方ないかなと思ったんですが、カブリオは、違う。シャシーはしっとりとした動きにあれふ、路面からの衝撃をいなしつつ、しっかりとタイヤを路面に接地させてくれます。そのしっとり感は、ターボエンジンのトルク感に見合ってまして、愉しい。そして、開放感も相まって相乗的に愉しくなっていく、そんな仕上がりを見せていました。
 ちなみに、日本におけるこれまでのDS3のMT率は40%だそうです。DS3だからという理由もさることながら、MTだからという理由でも選ばれているようですな。だから比較対象車がスイフトスポーツなんてこともあるようです。もちろん、DS3カブリオもそんな理由もあって、とりあえずMTから導入したようですが、って、そう、とりあえず、のようです。
  さて、本日はフェイスリフトを行ったC3(画像左)にも試乗してきました。が、こちらは随分と緩さが抜けていました。そう、抜けてしまっていた。いい意味でも悪い意味でも。あののんびりとしたストローク感は消え去っており、代わりに剛性を高めたシャシーフィーリングを手に入れてました。それでも、DS3と比較するとゆるめではありますが、まぁ、顔に見合ったフィーリングになったとでも言えば、分かりやすいでしょうかね。それにしても、ゼニスウインドウ(フロントウインドウ)は、もう最高です。下手なオープンモデルや、サンルーフ付きモデルよりも、開放感にあふれており、まさに笑みがこぼれてくるほどに愉しさがあふれています。 
 なんでしょうね、やっぱり、シトロエンは愉しさにあふれています。それは、ニコニコしたくなるというよりは、日々に不満を覚えなくなる、そんな愉しさ。そう、何事も、これでいいじゃん、むしろ、これを楽しんじゃおう、そう思えるようになり、つまり、何事に対しても不平を口にしなくならなくなる、というか、それを格好悪いと思えるようになる。そんなスタイルこそが、シトロエンたるブランド性にあふれていることを感じました。

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