#575 燃費を期待できる2シリンダーモード、でもね、というゴルフ7。

 さて、ゴルフ7(ハイライン・1.4L)の話をしないといかんですね。言いたいことがありすぎて、まとまらなくて、ついつい先延ばしにしてなってしまっていました。どこから話すかな。えっと、試乗会の時はゲリラ豪雨の中を走りまくり、雨音が届かないことや、その安定感と操縦性の高さに恐れおののきました。ハイラインの話ね。その印象は基本的に今回の1300kmドライブでも変わりませんでした。新潟へ入った時に強い雨に降られたんですが、まさに印象は同じ。
 で、発見したことを連ねましょうか。まずは、17インチなりの固さが存在することでした。基本的にある程度のストローク幅までは、しなやかに動くのですが、その先を必要とするようなシーン、つまり、工事後の路面やら高速道路での大きめな継ぎ目などでは、ドタンが顔を出します。いや、あれはドタンまで届いていないか、ドトンか。分かります? このニュアンス。あと、気になったのは、発進時のアクセル開度とその踏み込み量。まったくもってドイツ車らしくなく、ちょっと踏み込んだだけですっと出る。いや、それはいい意味合いではなく。ですから、むしろ緩慢さをあたえて、踏み込ませる必要を感じたほどで、ちょっとやり過ぎ感を覚えました。で、オートストップの再始動ではこのアクセル踏み込み量の件もありますし、DSGゆえのクリープがないこともあって、スムーズに発進させるのが難しい。ゆるゆると前進させることは難しく、時たま、ドンとクラッチがいきなりつながるかのような、少々ラフな動きもありました。
 そして、肝心な燃費ですが、これが期待を上回っていた反面、また、想像とは異なるところもありました。低燃費を出すためには、2シリンダーモードへといかに持ち込むかにかかっています。たとえば、高速巡航では通常の瞬間燃費が25km/L前後だったとすると、2シリンダーモードでは30〜40km/L(右画像・瞬間燃費)となります。そうか、ならば高速道路での燃費はとんでもなくいいんだな、と思われたかもしれませんが、これが違う。実は期待ほど2シリンダーモードへスイッチしてくれません。トルク変動を全くといっていいほどに期待しないかのようなパーシャルスロットル時でないと、入りません。つまりですね、アクセルペダルを相当に軽く踏んでいる状態でないと2シリンダーモードに入らないのです。これを分かりやすく表現しますと、足首に力が必要とする、そんなわずかな踏み加減、微細な踏み込み量。先ほど述べた、アクセル開度云々の件は、ここでも気になる点となってしまっていたのです。ですから、本来は気にならなかったはずの、オルガンペダルからの変更も、こういうシーンがあると、ついついマイナスに捉えてしまいたくなります。うーむ。
 燃費のまとめをする前に、2シリンダーモードのフィーリングを話しておかねばなりません。フィーリング? 燃費と関係あるのか? と思われるかもしれませんが、あるんです、これが。高速走行時、現実的な速度での走行において、燃費が最も期待できるエンジン回転数は1400回転以下となります。左画像(平均燃費)がその走行シーンですが、7速で約75km/hですな。で、もちろん、2シリンダーモードへと持ち込むことがポイントになりますが、実は1400回転以下になると振動が出ます。プルプルではなく、誰でも感じてしまうブルブルレベルの振動が。さら、エアコン吹き出し口にアーム取り付けをしているナビが、また、その周波数に共振してしまうもんだから、ボディからの揺れだけではなく、視覚的にも揺れを認識できるために、印象はあまり良くなく。そうなんです、低燃費を狙おうと、2シリンダーモードを狙うと、足はくたびれ、振動が気になってしまうのです。
 こんな一介のライターでも分かる話ですから、もちろん、VWでも分かっていることでしょう。やがて改良されることはいうまでもありません。ま、改良を待ちましょうかね。というか、それがなくなったら、もはやマイナス面のない、完全無欠なクルマになってしまうんですが。
 ここでは、あれこれとマイナス面を書き連ねてしまっていますが、いいクルマであるという前提あっての話。だからついつい細かな点が気になってしまうのです。というわけで、プラス面については、次の#576にてまとめましょうかね。

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