#524 61.0km/Lよりも、+EV(26.4km)にキーがある、プリウスPHV。

 今日は、プリウスプラグインハイブリッドの取材でした。あれです、家庭用電源から充電できるプリウスです。といっても、今ひとつそのメリットはわかりにくく、充電できると、誰が幸せになれるのか、を伝え切れていないような気がします。
 ま、簡単に言いますと、プリウスPHVのEVモードは、基本的に外部電源で充電した分しか使えません。つまりですね、自分で発電した分はHVモード時のモーター走行には使いますが、EVモードには活用できません。基本的に。わかりやすくいえば、HVモード、EVモードでそれぞれ独立したバッテリーがあるかのよう、とでもいいましょうか。ちなみに、EVモードでの航続可能距離は26.4km。日常で使う分には十分なのですが……、って、日常をどう捉えるか次第なのかな、と思いました。たとえば、都会での日常ならば、十分でしょう。買い物へ出かけても、駅へと向かえに行っても。しかし、その先まで足を伸ばしたい、たとえばですね、IKEAやらコストコへ行きたいとなると、超えてしまう。まぁ、IKEAやコストコがすでに日常ではないとも言えますし、どこかで充電すれば航続可能距離を伸ばせますし、そもそも、26.4kmを超えたらHVモードへと切り替わりますから、不便を感じるというわけではありませんが。
 あと、急速充電ができないことがネックになるのかなということでしょうかね。所有していないと充電に要する時間差なんて……と思ってしまうものですが、実際に使ってみるとやはりウィークポイントになると感じることもあります。たとえば写真は、とあるスーパーの充電スタンドですが、3台のうち、急速充電器2に対して、普通充電器が1。現状で市販されているモデルで、急速充電器に対応していないのはプリウスPHVとスマートエレクトリックドライブのみ(ほかのモデルもオプションだったりもしますが)。そこには、セルフ洗車機の吹き上げ場所確保できるかどうか的な緊張感もあり、誰かが使用していると、あー、ダメだったかを感じます。スーパーの場合は置きっ放し(充電しっぱなし)のままに場を離れていますし、そもそもスペースがないため、並ぶ(待つ)ことができませんからなおさらのこと。まぁ、居場所がないことに不安感を覚えない人は、気にならないと思いますが、自分はダメですな。ただ、これもあれこれと考えてみると、2種類あることはわかりにくさを生んでいますし、ガソリンスタンドで給油キャップを回すことが億劫という人たちがいる時代に、このケーブルをつなぐという作業(あえて表現しますが)が、煩わしいと感じ取られてしまうことは確か。EVを含めて、普及への課題はインフラにありますが、それは数だけではなく、質(あえて表現しますが)における課題が多いと感じました。
 では、このクルマは、どう捉えたらいいか。プリウスPHV=HV+EV(26.4km)であると考えるとわかりやすいでしょう。そう、このモデルの価値は+EV(26.4km)にあります。つまりですね、そこに、プリウスとの価格差となる約90万円を見いだせるか。それは、人によっては燃料代になるでしょうし、ほかの人には先進性、充電するという愉しさ、環境への負荷の少なさやら、あれこれ。そう、ここでこのクルマへの評価が変わってきます。それと、自宅に充電用電源を設置できる、ゆとり(金銭的、スペース的)があるかどうかも大切。EVモードたる理想的な活用は、どこかへ充電しするために出かけるのではなく、自宅から走り出す時にすでにフル充電されていることにありますから。
 さて、ヨシダはどうか捉えるか。日常といっても行動範囲が広いですし、マンション住まいですから、自分には不要。否定しているわけではなく、自分のライフスタイルには合わないだけのこと。というわけで、自分の日常が全くもってイマドキではないことを、改めて思い知らされた、プリウスPHVとの1日でした。あ、右の写真はトヨタディーラーでの充電ですが、充電だけに立ち寄るのはなんだか申し訳なく、肩身の狭い気分になります。というか、居場所がない。コーヒーとか出されてしまうとなおさらのこと。いや、その対応たるや、さすがはトヨタを感じ取れるのですが。いわゆる、カフェでもあればね、と思うわけですけど。そのあたりにも何か、キーがあると思いました。囲い込みも含めて。

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