#479 理想たるUIとは、ストレスを覚えさせないこと、ってな話。

 しつこいですが、BMWの320dな話。最終回にしておきましょうか、ね。走りやら燃費やらは、さんざんに書きましたので、ほかのネタを。って、ディーゼルに関係ないんですがインターフェイスの面で、なるほどなと感じたことをあれやこれやと。
 そのひとつ目が、ステアリングホイールのスポークに取り付けられた、トグルスイッチ(画像)。構造としては、上に2段、下に2段の4極タイプで、操作としては、センターリターンを基本に、上もしくは下に1段押し、さらに力を入れてもう1段押し込んで使います。これ、ACCの設定スピード調整用でして、1段で1km/h単位、もう1段で10km/h単位で変更させます。ACCってのは、最初にスピード設定する時はもちろん、動作中に調整する時にも、細かとおおざっぱな変更を即座に行いたいことがあります。手を離すことなく、簡単に。ですから、各メーカーともあれこれと操作方法を提案していますが、押し込んで細か調整させ、そのまま保持していると、5もしくは10km/h単位で変更させるのが定番です。ところが、大きくステップさせたい時とは、このわずかな待ちが意外にストレスになるもの。そう、BMWの場合は、待つことなく、自らの指の力を増せばいいだけというストレートな操作方法であり、まさにストレスフリー。これぞ、スポーティにつながる基本ではないかと思うわけです。
 もうひとつは、って書こうとしたのですが、すでに文字だらけ。では、簡単に。オーディオ操作パネルなんですが、AMやFMの周波数プリセットスイッチがですね、まぁ、なにも変わらない普通のプッシュタイプなんですが、なんと、これが押し込まずして、面に触れただけで反応する。つまり、タッチセンサー付き。でも、基本は物理的なスイッチでもあると。つまりですね、目で確認せずとも指でなぞるだけで、スイッチの位置(境)がわかるわけで、これ、タッチセンサー(パネル)のウィークポイントを見事に払拭しております。たかが、スイッチなんですが、ドライブ中の操作では、目視を必要としないことが理想ですから、このBMWのアプローチはまさに正論であり、本質を突くとは、こういうことなんだなと、感心しきり。そうです、タッチパネルにしましたよ、すごいでしょう、ではないのです。
 ようやく、SiriをベースにしたEyes Freeが、ようやく自動車メーカーから発表されはじめましたが、これによって自動車のインターフェイスが再定義されるのではないか、ってな予感がしています。いや、すべてでなくとも、Apple謹製だけではなくって。

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