#430 安い、シンプルだけではない、選ぶ理由があるプジョー208Allure(MT)。

 今回の試乗会は、個人的にメルセデスベンツのAクラスと、プジョー208に、ワクワクを抱いての参加でした。まぁ、両方ともベーシックグレード(日本では)でしたし。で、208です。ベーシックモデルがいいとは、ヨーロッパ車に言えることですが、特にフランス車における、ベーシックたる良さは飛び抜けているような気がします。なんていうんですかね、フランスなのに、あえて着飾らない、でも、本質は見失っていないというクールさがあふれているとでもいいましょうか。乗り味もいちばんいいし、楽しさも含めて、あと、リーズナブル感か。あ、バリューフォーマネー的な観点でもあるか。
 さて、期待の208ですが、想像を上回る良さにあふれていました。試乗したのは、日本でのボトムグレードとなるAllure。1.2Lに5MTという、まぁ、お約束のベーシックスタイルで、価格も200万円未満。クルマがいいことは乗らずして想像できましたが、乗って、あれこれ装備を観察していて、プジョー・シトロエン・ジャポンのやる気を強く感じ取りました。装備にボトムだからという言い訳が見当たらない、どころか、ここまでやるかい? 感があふれていました。たとえば、シート地は合皮+ファブリックだし、サイドカーテンエアバッグはもちろん、左右独立オートエアコン、本革巻ステアリング、アルミホイール、で、タッチパネル機能なモニタ(オーディオ)まで標準装備。個人的には、ここまでいらないから、もっと価格を下げて欲しいと思うところはありますが、まぁ、これは多数な意見ではありませんから無視してもいいかと思います。で、見上げれば、グラスルーフ付きのモデルやら、もう少し装備を充実させたモデルがあって、ターボのGTというラインナップ。いやー、上手い。
 肝心の走りは、1.2Lなのに、中回転域トルクが豊かで、しかも高回転まで回して楽しく、まさにしなやかさあふれるシャシーセッティングと、その中に強くあるリアサスのスタビリティの高さやら、……、そう、乗っているうちに、あちらこちらに106S16的な要素を感じました。もちろん、演出はスポーティとベーシックという差がありますから、テイストそのものは違いますが、あのワクワク感は共通しているといって過言ではありませぬ。最近、楽しいことがないとか、いいクルマがないと、ベクトルがマイナス傾向な方は、購入を強くお勧めします。で、このクルマに乗ってワクワクを覚えずに、まだまだ何だかなぁをつぶやくようならば、確実に本人に何らかの要因があります。そんなことが言い切れる、いいクルマです。いや、今のところは、Allure限定だけど。
 で、こんなにいいクルマなのに、2つのカーオブザイヤーとも最終選考会に残っていないのはおかしいのではないか? と選考委員自ら思ったらば、2012年11月1日発売なので、次年扱いになるんですな。

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