#429 スポーティを少々急ぎすぎている気がする、最新のメルセデスベンツ。

 今回、試乗した9台のうち3台がダイムラーのクルマでした。で、その中で、メルセデスベンツは2台。よく、メルセデスベンツやボルボに対して、アジがないという意見を耳にしますが、感じ取り方次第ゆえに納得できる見方もありますが、一方では本質を見つけられていないのかなと感じることもあります。たぶん、彼らには、メルセデスベンツではなくてベンツって呼んでしまう人々に共通する何かがあるようにも思いますが。なんて書き方をすると、自分は分かっているけど、キミは分かっていないね的に捉えられる恐れがありますが、ニュアンスとしては違いますのであしからず。
 ボルボについては書くべきことがたくさんあるので後回しにして、ここではメルセデスベンツ。やはり、何度もここで触れてますが、その本質は、豊かにあふれる快適性にあります。安心感に基づく快適性を大切にしており、だからこそ、頼れ、そして、結果、スポーティだと感じ取れる。ところが、最近のメルセデスベンツは、このスポーティという結論を急ぎすぎているような気がします。まぁ、分かりやすさを表現したかったことは理解できるのですが、もう少し過程を大切にして欲しかったなと思うところが多い。#377で、Bクラスについてあれやこれやと仕様違いの話を展開しましたが、実はこの話がその前提にあります。
 さて、で、Aクラス。実は、試乗車として用意された中でも、あえて日本でのボトムグレードを選びました。ボトムグレードでこそ、メルセデスベンツが最も色濃く表現されているからです。逆にいえば、タイヤサイズが変わっただけで、異なる印象を受けてしまうのも、今のメルセデスベンツにおいては、また事実なもので。ところが、試乗車は、ラインはベーシックでしたが、タイヤがオプションの18インチ。これが、なんともチグハグ感を生んでおりまして、なんともコメントしづらく。ただ、エンジンにしても、シャシーにしても、個々のポテンシャルは感じましたから、まぁ、仕様次第なのでしょう。ちなみに、最初から18インチを採用し、スポーツサスと組み合わせられている仕様では、あまりチグハグ感はなかったと、試乗した知り合いが言っていましたが、ただ、どうなのかな? というコメントを残していましたので、云々。
 で、タイヤサイズを調べてみると、本国ではボトムは15インチ。でも、日本仕様は17インチからスタート。本質が見えていない人が多い的な書き方をしましたが、本質が見えないようなラインナップも、その要因となっているような気がしました。ポテンシャルはあるのに、それをあえて殺している仕様、販売方法は、ほんともったいない。
 こういった販売方法に、技術が早く追いついて欲しいと思うのですが。あと少し待ちましょうかね。

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