#405 新型フォレスターの完成度に感心し、スバルのこれからにひと安心、ってな話。

 #404で書いた伊豆話、新型フォレスターの試乗会でした。えっとですね、いきなり本題に入りますけど、新型フォレスターとんでもなくいい仕上がりを見せていました。シャシー系の完成度はもはや現行型レガシィを過去のモノとしてしまったほどに。それは言い過ぎじゃないか? って、言い過ぎではないのです。何がいいとはひとことでは言えず、ひとつをピックアップできず、つまりバランスがいい。世代が違うと思わせたぐらいに、いい。いちばんわかりやすいのはシャシー。まさにしなやかで路面にタイヤをいかに接地させるかにこだわった結論を、どうだ! といわんばかりに叩き付けて見せてくれたかのよう。結果として、18インチタイヤをしっかりと手なずけることが出来ていましたから。もちろん、荒れた路面ではバタバタ感は顔を出しますけど、十分に許せる範囲内。
 そして、このシャシーのしなやかさは17インチでこそ、フォレスターというキャラクターも含めて、ハイバランスさせている感がありました。ストローク量を生かしながら、でも、その動きに剛性感を与えているという、まさに、うっとりする乗り味。その一方で、ハンドリングは適度な操舵感と、SUVたる緩さを上手く生かしていて、これがもう言葉にならないくらいにいい。AWDは、安定性と操縦性のバランスがよく、互いに邪魔しませーんといわんばかりの役割分担が明確で、そこにリアのスタビリティの高さも加わって、コーナーリングスピードが速いのなんのって。もちろん、パワーフィーリングはそれらにぴったりと合わせていて、結果ですね、走りは気持ちよさとひと言で表せるほど。エンジンはターボもいいんですが、でも、NAでも我慢を強いることはなく……、と、軽くちょろちょろっと書いただけで、ここまで書いてしまうほどの仕上がりぶりでした。
 CVTも走らせ方やモードのセレクトによって、ダイレクト感を味わえるようになっていますが、やはりMTモデルには敵わずといった印象を受けました。今回の試乗会でMTがさらりと用意されてまして、これがとてもよかった。ただ、MTはNAのみですし、アイサイトと組み合わせられないという致命的なマイナスポイントはありますが、それを除いてもかなり惹かれるグレードだと感じました。ちなみに、あれこれ装備をあきらめてボトムグレードにすれば208万9500円。かなり、リーズブル。ということで、個人的なオススメはボトムの2.0i(MT)。またしても、自動車雑誌では採り上げられないような日陰者グレードではありますな。逆にいくら装備があれこれついていても、個人的な観点からフォレスターに300万円を支払う気はなく。それは装備よりも走行性能優先という考え方からですが、古いんでしょうかね、ってか、古いことは重々承知の上。300万円ですとFJクルーザーが視野に入ってきますから。
 まぁ、それはさておき、開発の方々に訊けば、この走行性能における感性面の向上は、具体的にインプレッサから試みているそうで、その第二弾として登場したフォレスターはさらに極めていたというわけです。その手法は何を変えたからというよりは、フルモデルチェンジでしか成し得ないものだそうで……。って、実は、心配していました。スバルがこういう乗り味を作らないのか、作れないでいるのか、が見えなくて。しかしこうして方向性が明確に見えたことでほっとひと安心。やれば出来るじゃん、とでも言いましょうかね。
 しかし、困ったことがひとつ。ここから先のクラブレガシィへの執筆、なんて表現していいものやら。頭の中のスバルベンチマークは、すっかりフォレスターになってますから。って、年末発売号をまさにこれから書かねばならないのに。

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