#389 たかが軽自動車されど軽自動車、コンパクトカーの受け皿も狙います、って話。

 何か書き忘れていると思ったら、N-ONEについてでした。インタビュー原稿を書いて、すべて吐き出してしまったので、すっかり忘れてました。完全に。えっと、どこを語ろうかな。このクルマは、とてもよく練られてます。って、どっかで書いたな。えっと、皆を幸せにするって意味合いからも、良く練られています。それはホンダから、オーナーから、勤め人から、日本のクルマ産業に至るまで。で、このNシリーズは、個性をアピールし、価格以上の価値を与え、埋もれつつあったホンダの軽自動車を安かろうではない方向へと一転させており、もはや正論づくし。それは走りにも言えます。もちろん、N ONEも好印象。プラットフォームはN BOXシリーズと共用してますが、それゆえにボディ剛性は高すぎるほどで、それによってシャシーに質感があふれています。もはや軽自動車らしさを感じ取れるのは、室内幅とエンジンからのノイズだけかなと、そう思えるほどです。
 インタビューしたまとめ役の方は、過去にエンジン設計をしていた方ですが、まぁ、専門的な見知から、N ONEはターボがオススメとのこと。ただ、そのターボにちゃんとストーリーがありました。ここから長くなります、多分。曰くですね、国内を走ること、使うことを考えると、もっとも適しているエンジン排気量は1.3Lなんだそうです。それは燃費、高速走行、実用性含めてのすべてにおけるバランスの意味合いから。まぁ、お気づきだとは思いますが、1.3Lといえば、ホンダでのフィットのポジションであり、コンパクトカークラスですな。ところが、軽自動車のエンジンの排気量は660ccまでと制限されていますから、NAのままでは日本を走るに理想的な1.3L的なテイスト(曰く、国民車)を持ち込むことはできません。と、そこで過給器の出番となりますが、ただ、倍の排気量分をカバーできるかという疑問点が浮かび上がります。で、氏は、かつて、F1で1.5Lターボor3.0L NAだった時代に、過給器を使えば、倍の排気量分(NA)のパワーを出せることが分かっていた(自信とも言いますな)そうで、つまり、660ccエンジンの軽自動車であってもターボを使うことで1.3Lクラスを実現できるのだと。ですから、新ターボエンジンのキャラクターは、もはやスポーツではなく、コンパクトカークラスの走りを表現したものであり、それはコンパクトカークラスからのダウンサイジングの受け皿たるフィーリングを備えていました。って、今や、多くの軽自動車のターボは、そんなテイスト、コンセプトとなっていますが。
 ほほぅ、ダウンサイジングってのは、2.0L以上クラスのサルーンから、コンパクトカーもしくは軽自動車への流れだけかと思っていたら、コンパクトカー→軽自動車という流れもあり、それも加速しつつあるようです。むしろ、昨今の傾向を見ていると、軽自動車がメインストリームになりつつあると考えると、安かろうの軽自動車だけではなく、その受け皿となる軽自動車もポイントとなるわけですな。
 えっと、まとめようがなくなった。まぁ、そういうわけで、僕らは軽自動車の捉え方を少し変えたほうがいいかもしれません、先を見つつという意味合いで。ちなみに、そうなってくるとフィットやらのコンパクトカー立場がなくなるなと思ったんですが、上からのダウンサイジングの受け皿として、その存在感をさらに高めていくわけですから、なるほど、次期型のあれこれは、それを極めていくのですな。そう考えると、各メーカーの戦略やら噂があれこれ納得できるようになります。ノートにメダリストってのも、そうなんです。

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