#369 天晴れ、脱帽、もはや表現する言葉がない、新型BMW3シリーズ。
まず、今回の試乗会でまず乗ったのはスタンダードとなる320i(xDRIVE)。ターボ化は、先代まであと少しパワーがあったらなぁの不満を払拭しており、もはや不満なし、どころかさらにトルク感をみなぎらせたことで、愉しさと快適性に通じるスポーティさを大幅にアップ。これで十分、いや十二分というレベルを手に入れおりましたが、続いて試乗したディーゼルは想像どおりにそれ以上のポテンシャルを持っていました。そのフィーリング、パワー感はストレスは見当たらず、全域に渡って乗せられたトルク感は、もう脱帽、完全に脱帽。そんなにトルクいらないでしょという感のあるCX-5のディーゼルとは異なり、洗練された感があります。音、振動は若干の雑味は残っていますが、そんなことは完全に彼方まで吹き飛ぶレベル。とにかくピックアップ・レスポンスが適切ですし、意のままに扱える感も手伝って、これ以上、何を望むのだろうという感がありました。
ところがですね、続いて試乗したアクティブハイブリッド(エンジンは3.0Lターボ)は、HVであることを安直に表現しておらず、最新技術をもってグランドツーリング性能を新たに具現化したところにトピックがありました。これこそ、3シリーズのラインナップには不要なグレードかと思っていましたが、必要だと感じましたし、先代の335iとは異であることも理解できました。で、このアクティブハイブリッドですが、試乗したモデルがたまたまMスポーツ仕様(サスペンションはM仕様ではない)で、オプションのMアダプティブサス付きモデルでしたが、これもショックを受けました。いわゆるスポーティに繋がるダイレクトなスタビリティだけではなく、快適性をも身につけており、グランドツーリング性能をスポーティ方向で極めるとこうなるよ、という内容。ここでも、脱帽。とはいえ、そのシャシーの真価を引きだせるのは、法定速度内では無理。そう考えると、もはや次期M3のポジションをどこに置くのかが分かりません。
3シリーズは、その基本的なポテンシャルの高さはもちろん、今回のこのひとまずのラインナップ完成により、その存在感、価値を大きく高めています。もはや、天晴れ、そして、脱帽。もちろん、細かにいえば、あれこれ突けるでしょうけど、完成度の高さを考えると、マイナス面の指摘はもはやカッコ悪いだけに過ぎない。個人的にはディーゼルにMTが設定されていなくて、ほんと良かったと思っています。あったら、毎日、思い悩むことになったでしょうから。
個人的には、今年のイチオシどころか、現在販売されているクルマの中でイチオシです。言うまでもなく。
(アクティブハイブリッドはアダプティブMサスペンションがオプションでした。あれこれと訂正しました)