#369 天晴れ、脱帽、もはや表現する言葉がない、新型BMW3シリーズ。

 あのですね、いいことは分かっていましたし、期待していました。でも、これほどまでに期待を裏切られるとは思いませんでした。あれです、BMW・3シリーズです。試乗会に出掛けてきて、ちょっとというか、強いショックを覚えてしまいました。まぁ、日本における新型3シリーズは、今年はじめに328iが導入されたと思ったら、矢継ぎ早に320i、ディーゼルの320d、アクティブハイブリッド、気付いたらツーリングまで、とラインナップを整えていました。その途切れない話題性はもちろん、ラインナップにいたるまで、よく練られた感がありますし、勢いを感じます。といっても、肝心なのはクルマの質。で、結論を言いますと、これがもはや脱帽レベル。328iがデビューした時にその片鱗は見えていましたし、基本となるポテンシャルの高さも理解していましたが、こうしてラインナップが揃ってあらためて眺めてみると、いずれも甲乙付けられるものではなく、それぞれに存在理由があり、被っていない。もはや、天晴れ。まさに、天晴れ。そうとしか言いようがありません。いや、ほんとに。
 まず、今回の試乗会でまず乗ったのはスタンダードとなる320i(xDRIVE)。ターボ化は、先代まであと少しパワーがあったらなぁの不満を払拭しており、もはや不満なし、どころかさらにトルク感をみなぎらせたことで、愉しさと快適性に通じるスポーティさを大幅にアップ。これで十分、いや十二分というレベルを手に入れおりましたが、続いて試乗したディーゼルは想像どおりにそれ以上のポテンシャルを持っていました。そのフィーリング、パワー感はストレスは見当たらず、全域に渡って乗せられたトルク感は、もう脱帽、完全に脱帽。そんなにトルクいらないでしょという感のあるCX-5のディーゼルとは異なり、洗練された感があります。音、振動は若干の雑味は残っていますが、そんなことは完全に彼方まで吹き飛ぶレベル。とにかくピックアップ・レスポンスが適切ですし、意のままに扱える感も手伝って、これ以上、何を望むのだろうという感がありました。
 ところがですね、続いて試乗したアクティブハイブリッド(エンジンは3.0Lターボ)は、HVであることを安直に表現しておらず、最新技術をもってグランドツーリング性能を新たに具現化したところにトピックがありました。これこそ、3シリーズのラインナップには不要なグレードかと思っていましたが、必要だと感じましたし、先代の335iとは異であることも理解できました。で、このアクティブハイブリッドですが、試乗したモデルがたまたまMスポーツ仕様(サスペンションはM仕様ではない)で、オプションのMアダプティブサス付きモデルでしたが、これもショックを受けました。いわゆるスポーティに繋がるダイレクトなスタビリティだけではなく、快適性をも身につけており、グランドツーリング性能をスポーティ方向で極めるとこうなるよ、という内容。ここでも、脱帽。とはいえ、そのシャシーの真価を引きだせるのは、法定速度内では無理。そう考えると、もはや次期M3のポジションをどこに置くのかが分かりません。
 3シリーズは、その基本的なポテンシャルの高さはもちろん、今回のこのひとまずのラインナップ完成により、その存在感、価値を大きく高めています。もはや、天晴れ、そして、脱帽。もちろん、細かにいえば、あれこれ突けるでしょうけど、完成度の高さを考えると、マイナス面の指摘はもはやカッコ悪いだけに過ぎない。個人的にはディーゼルにMTが設定されていなくて、ほんと良かったと思っています。あったら、毎日、思い悩むことになったでしょうから。
 個人的には、今年のイチオシどころか、現在販売されているクルマの中でイチオシです。言うまでもなく。
(アクティブハイブリッドはアダプティブMサスペンションがオプションでした。あれこれと訂正しました)

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