#363 クルマとしての正常進化を感じた、ワゴンR(5th)とオーリス(2nd)。

 今年の秋は、狙ったかのように新型車が続々とデビューしておりますが、まぁ、実際、エコカー補助金打ち切り後の施策と考えると、狙ったわけではありますが。そのいずれにも共通しているのは好印象という評価でしょうかね。ワゴンRは早いもので5世代目だそうです。自ら発電するかのようなイメージによる広告展開は、まぁ、イマドキなのでしょうかね。それはさておき、クルマとしては、正常進化を遂げていました。というか、クルマとしてあるべき姿を見つめ直したところが、とても好印象。たとえば、エンジンは3000〜4000回転でトルク感を強めており、ちょいと加速しようと踏み込むとCVTがそこへとさっと導きますし、ブレーキも初期制動を強めず、きれいに停まれるフィーリングを表現。パワー感については、NAで十分、ターボ不要とまで言えるほどですが、ターボそのものはパンチやらパワーよりも排気量アップ感を覚えさせるもので、これまた好印象。と、好印象だらけですが、まぁ、あと少しの接地感が欲しいタイヤやら、ハンドリングのオンセンターフィーリングやら、あと少しがあるのも事実。たぶん、あと少しの時間があれば解決できたのでは? と思える部分もありましたが。
 もう1台は、オーリス。こちらは2世代目ですな。最近のトヨタはとてもいいと、口にしていますが、このオーリスもその例に漏れずといった感が強かった。1.5Lのパワー感、トルク感ともに好印象で、MTに乗りたいというのが正直なところ。若い開発陣にそんな話をしたら、ぽかんとしていましたが、この場合のMTに乗りたいという表現は、このエンジンももっとダイレクトに味わいたいという想いがあり、つまり、エンジンがいいからという前提がそこにはあります。もちろん、あれこれと多くの仕様に乗りましたが、好印象だったのは1.5L+16インチ仕様。15インチ仕様じゃなくって。タイヤによってその乗り味の質感が大きく高められておりまして。で、注目の1.8L搭載のRS。まぁ、スポーティさはもちろん、クルマとして力作といわんばかりの仕上がりでしたが、このアプローチをベーシックモデルでも展開できるか否かに、ヨーロッパでの成功が掛かっているような気がしました。このRSの骨頂でもあるタイヤとボディまで含めて作り上げられているシャシーのストローク感は、ゴルフではベーシックモデルでもこれをしっかりと表現できていますからして。
 と、あれこれ細かいところはありますが、両車ともにクルマとしてのアプローチは正しい方向を向いており、それが好印象に繋がっています。エコも大切ですが、クルマとしての完成度の高さは結果、エコにつながるし、安全性にも繋がるもの。それを消費者が理解できるようになること、つまりは、こういうクルマを正しく評価できることが、クルマ離れを食い止めるために、いちばん必要な気がしました。

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