#344 少々の無理が見えるけど、たいへんよく頑張りましたをあげたくなる、CX-5。

 さて、マツダのCX-5ですな。知人2名が購入に踏み切るという、周囲でも人気あるモデルですが、まぁ、以前にも書いたように、その仕上がりに不足はなく、「どうかな?」と、訊かれたら、「素直にいいんじゃない」と勧められるモデルだと思います。ただ、そういう相談の時に必ず、4WDと2WDどっちにすべきか、さらには、ガソリン、ディーゼルどっちにすべきかってことを訊かれます。心は4WD+ディーゼルに決まっているようですが、でも訊くんです。まぁ、迷っているというよりは、確信が欲しいんだろうなって感じですな。ガソリン+4WDがベストかなぁと口にしても、スルーされますから。いや、ディーゼルって選択が悪いっていうんじゃなく、バランスの話です。
 今回、取材でディーゼル、4WD、19インチ、BOSEオーディオという、最上級な組み合わせモデルを借り出しました。約600kmを走ってきましたが、感じたのは、以前の試乗会とほぼ同じこと。ただ、あれと思うことも少々ありました。まずは、19インチの乗り味、バネ下の動きを上手く抑え込んでおり、不快感に繋がる固さにはなっていないってところまではは試乗会と同じでしたが、少々の段差においては、確実にゴトンを発生し、そこにやはり無理が残ってしまっていることを感じました。指定空気圧は250kPaで、19インチ、致し方ないか。でも、まぁ、あの価格帯であること、17インチと共用していることを考慮すれば、合格点をあげたくなります。ちなみに空気圧変化による乗り味への影響が大きい、ってな話を開発者から訊きましたが、その点でもシビアな面を持ち合わせていますから、そのあたりかな。
 ディーゼルエンジンのトルク感についてはいまさら語ることなく。太いだけじゃなくて、中回転域でしっかりと存在するため、扱いやすいし、スポーティな走りにも対応。ATのギア比やマネージメントもスポーティ走行に的確。で、エンジントルクがある分、とっちらかる前にタイヤはドライバーに対してかなり早めにアラート(鳴き)を出すようにセッティングされてます。つまりですね、これ、グリップ力を超える前のフォローであり、そんなところも計算尽く。ブレーキは、初期制動部が実に細やかに作られており、これも美点。わずかなタッチで制動力が穏やかに立ち上がり、踏み込むとリニア+α(安心感分)の制動力を与えます。実に美しい。
 ほかは、えっと、何だっけか。燃費は高速道路(平坦)では走行車線をトラック追従速度なパーシャルスロットル走行で35km/L、ワインディングへと持ち込んだり、取材であちこち立ち寄ったり、事故渋滞に捕まったりという悪条件を含めると、最終的には15km/Lを割り込みました。まぁ、最近は軽油も高くなってと言いますけど、それでも1Lあたり約30円差があるわけですら、十分に経済性を語れるのではないかと。
 というわけで、褒めてばかり。でも、欲しいとは思えませんでした。その理由は、スタックランドファーム(ハードなオフロードコース)を走れないから。ただ、それだけです。

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