#342 そろそろ引退? いやいや、まだまだ日本にはカローラは必要だったって話。

 11代目となるカローラがデビューしました。コンセプトはこれまでと変わっていませんが、HV全盛な昨今において、そのポジションを見直し、サイズを見直し、オーナー像を明確にして、最新モデルへと進化しています。まぁ、商品企画を含めて、よく練られていますし、その理想像を実にハイレベルに具現化しています。つまり、いいということ。
 そもそも、ワタクシ、5ナンバーという境を強く意識しなければならない家庭で育ったため、ボディサイズ全幅1700mm超え、排気量1500cc超えには抵抗があります。というか、ありました、ですな。まぁ、気付けば、4700ccに乗っていましたっけね、失礼。それはともかくとして、今だにどこかに5ナンバー枠に対する固執があります。ゆえに、昨今の国産車の5ナンバー枠突破については残念に尽きるんですが、って、V8オーナーの発言はまったくもって説得力ないですね。
 今度のカローラは、セダンはオジサン受けを目指し、ステーションワゴンは30-40代を中心としながら幅広い層を狙ってきました。まぁ、正論でしょうし、正解だと思います。だからといって、走行性能については媚びていないし、イイモノを作ろうという意気込みがあちこちに見られました。トヨタとしては、ともに新開発となる1.5L+CVTがイチオシとしています。たしかに、ひとクラス上を感じ取れる質感があふれていることから、満足感高いモデルであることは間違いありません。新しいカローラ像をダイレクトに表現していますし。しかしですね、個人的には1.3Lがよかった。またベーシックグレードを選ぶと言われそうですが、ベーシックだからいいというよりは、この1.3L、クルマとは軽量であることが、すべてにいい影響を与えるという基本を改めて感じさせてくれるモデルでして。もちろん、エンジンにパンチはありません、でも、その軽快な走りは、ワインディングを楽しくしてくれますし、14インチというタイヤサイズも手伝って快適な乗り心地を提供してくれます。今回は1.8Lをラインアップから外していますから、この1.5/1.3Lというラインナップは実質的なダウンサイジングを意味します。しかし、プリウスではなくアクアではなく、このカローラを選ぶ理由として、このダウンサイジングをもっと強く謳うべきであり、1.3Lをもっと選びやすくしても良かったのでは? と思うところもあります。まぁ、先にも言いましたが、新開発1.5Lをイチオシにしなくてどうするって話があったんでしょうけど。
 ちなみに、最上級グレードではなんとシートベンチレーション(ファブリックシートなのに)を標準装備していますが、ホイールはスチール標準。いやー、天晴れ。もちろん、メーカーオプションでアルミホイールが設定されていますが、サイズは変わらず、つまりサイズアップを強要しておらず、これもまた天晴れ。タイヤホイールに金を掛ける=サイズアップが当たり前の風潮の中、この誘導はもはや天晴れ以外の何ものでもありません。
 ただし、ステーションワゴンのフィールダー(1.5L)は、アルミホイールを選ぶと幅のみですがワンサイズ(185)上へと誘導されます。残念! と思いきや、チェックしたところ、タイヤの性格上もあってコツコツ感は増えるのですが、実は接地感や操縦性は大きくアップします。開発者に訊けば、そのとおりとのこと。ちなみに、175サイズは新開発されており、まさにカローラ向きなのですが、この185はそもそも新型カローラ専用品ではなくホイールサイズに合わせたら、くっついてきたタイヤだとか。たまたま質感の高いタイヤが組み合わされたと。こうなると、チョイスは難しい。個人的には、コツコツが強くなるのはイヤですが、あの質感を考えると185を選ぶかな。
 そういえば、今回も言われました。受付にて、今日は出席者が多くない日ですので、全てのグレードに乗れると思いますよ、って。で、ここぞとばかりに5グレード乗ってきましたが、様々なグレードを試乗することで、その違いを感じ取ることで、カローラが目指している像が明確に見えたように思いました。14、15インチというサイズ毎にサスペンションをきっちりとセッティングしていますし、新旧エンジンのポジション分けやら、云々。そして、日本専用ボディであることを含めて、これまでのトヨタとは違う“意気込み”を強く感じました。国産車が失いつつある、らしさが詰まった、まさに純国産モデルです。もっと、それをもっと強く謳えばいいのにと思ってしまうのですけどね。

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