#337 ヨーロッパ車にあふれる感覚的表現、日本車に見られる実用性の具現化。

  ここのところ、レガシィ漬けでした。D型の改良内容が濃すぎたことが主たる要因ですが、まぁ、根本にあるのは、あれやこれやと先延ばしにした自分にあったりするのもまた事実。で、レガシィですな、少し前にも触れましたが、良くなっていました。でもそれはレガシィだけを、レガシィとして、見た時の話であることを、感じさせられてしまうことがありました。
 ひとつ目は、BMWの試乗会にて乗った6シリーズグランクーペ。クーペ的なデザインながら4ドアという実用性を与えたモデルで、まぁ、ヨーロッパの各ブランドからは続々とデビューし、これで出揃った感があります。そもそも、クーペはデザインやら2ドアといった縛りから、特別な乗り物として、そのポジションを築き上げてきました。時にスポーツ、また、ラグジュアリィというテイストをそれぞれに使いこなしながら。この6シリーズグランクーペは、その特別感を全面に表現し、そして、前面に押し出しながらも、BMWたる素直な走りがベースにはあり、その両者をバランスさせていることにトピックがあります。バランスといっても、何かを削ってなし得たバランスというよりは、全てを実現したという、まさにハイレベルなもの。試乗車はオプションの19インチでしたが、リアタイヤ幅は275という行き過ぎ仕様。しかも、ノーマルサスのままに。しかし、あり得ないはずの快適性がそこにはありました。まぁ、これは5シリーズ同様なので、ショックは受けませんでしたが、オドロキは再確認しました。
 もうひとつは、昨日発表されたシトロエンDS5。昨年の東京モーターショーで会場でひとり大絶賛したモデルですが、改めて眺めてみると、コンセプトを存分に表現しており、まさに脱帽。やりたい放題とでも言いましょうか。でも、破綻していない。プジョーがあるから、シトロエンはこうした冒険が出来るのかなと思うと、2ブランドの関係を上手く使っている点まで評価したくなってきます。乗り味? 試乗会はまだ先なのでインプレッションについてはまた先に。と言いつつも、最近のシトロエンテイストからすれば、悪いわけはないでしょう。これも大切ですな。
 両車に共通しているコンセプトは、グランドツーリング性能。見ているだけで乗りたくなる、どこか行きたくなる、そして、快適なドライブがもたらす歓びを愉しめるって、感じでしょうかね、かっこよくいえば。でも、このグランドツーリング性能って、レガシィも謳っています。強く謳っています。初代モデルが登場してからずっと謳っています。
 でも、レガシィのグランドツーリング性能は、具体的な言葉として表現されるとそうだねと思えますが、この2車のような見ただけで、それこそビビッとくる特別感が足りないような気がします。まぁ。異なる表現方法なのかもしれませんが、よく分からない。そんなことを感じていたら、ヨーロッパのブランドは感覚的なものを表現するのは、具現化するのは、やっぱり上手いですし、逆に言えば、日常性やら実用性を極めるのは日本車は上手いことを改めて感じました。レガシィは日本車的アドバンテージをベースとしながら、感覚も表現しようとしたクルマと捉えると、現行型レガシィの魅力が引き立ってくるのです。え、無理がある? いや、素直に感じたのですが。
 生活を豊かにするという手法は、ともに同じです。ただ、方法が、手法が違うだけの話なのかもしれません。そして、それを選択するのも人によりけりですので。

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