#319 完成度は期待どおり、でも、わずかな分かりづらさがある、トヨタの86。

 なんだかよく分からない陽気が交錯していますが、東京の桜はようやく満開を迎えたようですな。4月も6日ですか。早い、早い。今年の春といいますか、GWは、うれしいことに八ヶ岳に滞在して、花豆を手伝えることになりそうです。なんだかんだいっても八ヶ岳とは縁が切れないようで、それもまたうれしいことだったりします。まぁ、詳細についてはまた後日。
 で、またもクルマの話、今回はトヨタのハチロクです。先月末の試乗会にて、あれこれ確認してきましたが、商品の完成度は予想どおりであり、想像以上。言うまでもなく、失ったクルマらしさを取り返したところにアドバンテージがあり、それはあの頃を知っている者、知らぬ者、ともに受け取り方は違うかもしれませんが、乗ってみればすんなり受け入れられるかと思います。この点はスバルのBRZも同じ。そして、誰のためのクルマかが分かりづらい点も、これもまたBRZ同様。
 で、で、ハチロクですな。実は、試乗して分かったことと、開発者と話をして驚いたことがありました。それは想像以外の部分で。ひとつ目はデザイン。今回、デザイン担当はトヨタでしたが、それには理由があったようです。トヨタでは、ボディデザインによる走行性のチューニングを行っているそうで、ですから、トヨタが担当するのは、設計という意味合いにおける本来のデザインからも、自然な流れだったのでしょう。ただ、それは高速域走行を語る際によく耳にするいわゆるダウンホースを得るという手法とは異なり、いわゆる風洞実験から得られるものと少々違い、30km/h程度でも明確に効果が表れ、結果としてコントロールのしやすさ、安定性を両立させているそうで。つまりですね、まさに感覚の領域の話。そして、シャシーチューンよりもいろんな意味で自由度が高いとのこと。もちろん標準車にあれこれ盛り込まれていますが、オプションとして設定されたエアロスタビライジングフィンもそのひとつだとか。たかがあれだけで、相当な効果があるとか。価格は1万5750円と安くはありませんが、それもまた刺激と捉えることができますし、取り付け位置もキーとなるため型紙まで用意したところも、商品性としては良いアプローチかと。なるほどね、ほほぅと思ったものの、残念だったのは、それらについてカタログでは全く謳われていなかったこと。まぁ、スタートしたばかりの試みゆえに、大々的なアピールは難しいでしょうが、今の時代、そうしたある種の小技もキーとなっていますから、思い切ったアピールも必要ではないかと思った次第ですな。
 もうひとつは、16インチ仕様の話。BRZでは感じなかったのですが、ハチロクでは17インチと16インチというタイヤサイズ差は、公道での走りに確実なる大きな差を与えていました。好印象だったのは17インチ。試乗した16インチ仕様はグレードでいいますとGでしたが、こちらはトレース性不足が起因して、タイヤのハイト分有利になるはずのコンフォート感が見当たらず、それは煮詰められていない感じすら受けるものでした。ある意味、16インチに期待していたので、少々がっかり感がありました。ただ、このサスはカスタマイズグレードRCそのものと聞けば、ああ、なるほどと思えてきます(交換されることを前提としたと考えると)。ただ、このGグレードは、売れ筋にはならないものの、エントリー層を取り込むためにはリーズナブルという面からも重要な位置付けであるはず。中略……、惜しいなぁと感じたのでした。
 ちなみに、BRZの16インチ仕様ではそこまで感じませんでしたが、あれは試乗がもてぎだったからなのか。どこまでセッティングの差があるかは、また後日にでも。

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