#313 自身を信じることで、その戸惑いを払拭して欲しい、新世代レクサス(GS)。

 #314を書く際に重ね書きをしてしまったようで、書き直しをしました。それにしても、ここのところちょいミスが多い。そういうことがないようにと口に出してまでのチェックを心掛けているのですが、最近では、我がiPhoneはBRZに載せられたままにもてぎのコースを周回し続け、我が上着は試乗会懇親会場に置き去りにされたままに、所有者は試乗へと出掛けたり(寒くはなかった)、そのほか、あれやこれや。さて、レクサスGSの書き直しですな。あ、書き込みは、タイムラインで並んでいるので、ナンバリングは#314と#313でひっくり返っていますが、気にしないでください。ちなみに、言葉遣いは前に書いたものと変わっているかもしれません。でも、言いたかったことは同じです。
 で、GS。クルマは正常進化を果たし、ブランドとして次のステージを表現していました。ただ、個人的にはレクサスとは何か? が見えづらくなったような気がしました。ここでも書いたかと記憶しているのですが、レクサスとは、面相筆で表現されたかのような微少な、そして精密さあふれる表現がレクサスらしさであり、それを豊かさと捉える人がいる一方で、気付かない、気付けない人(それが悪いとは言いません)がいる、ブランドと捉えてきました。ただ、商売としては、それでは許されなかったようです。そこで、新世代のレクサスへのスイッチとなるわけですが、これまでのレクサステイストはそのままに、それをちょっと分かりやすく表現していました。デザインであり、乗り味であり、仕様であり、価格に至るまで。ただ、それが何でもありを許してしまい、逆にレクサスらしさが見えづらくなっているような気がしたのです。
 クルマとしての仕上がりはよかった。19インチサイズのタイヤを採用したFスポーツであっても、リバウンドストロークを捨て去ることなくそれを生かして、乗り心地に犠牲を払う手前の快適さをキープし、Fスポーツ以外であっても安定性とスタビリティはスポーティを謳えるほどにハイバランスさせており、良い意味で速度感のない安心感を作り上げていました。それはまさにコンセプトに謳われているとおりのGTテイストであり、あのドイツ車以上をあちこちに感じました。しかしそれぞれでキャラクターを貫くというアプローチをしながら、ウィークポイントを払拭しようと実直な改良を続けたところ、全体像がぼやけてしまった。たとえば、ブレーキのタッチ。確実性と安心感を作り上げたところ、微妙な踏み込み量での細やかなコントロールを許してくれず、制動力が立ち上がるキャラクターは、ジェントル感あふれるエンジンフィールとは少々似合わないところがありましたし、Fスポーツであれども、アクセルペダルから足を離した際のエンジンブレーキ的な感覚に物足りなさが見られたり……。ただ、先にも言いましたが、ポテンシャルは十二分に持ち合わせています。このGSに必要なのは、改良というよりも、まさに煮詰め。それゆえに、今後に対する期待が大きかったりもするのですが。
 レクサスは、もっと自身に自信をもっていいと思います。高飛車に、傲慢にならない程度に、そして、分かる人に分かってもらう、もしくは、分からない人々を誘導することが必要だとも感じました。一方で、大衆のニーズをクルマに落とし込むことをアドバンテージとするトヨタというブランドがあるのですから。
 あ、最後の表現は嫌味ではないので、あしからず。

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