#251 イマドキに必要なのは、そこに込めた想いをアピールするずうずうしさ。
日産からデビューした電気自動車リーフですが、意外にもたんなる電気自動車ではありませんでした。分かりやすく言いますと、これを機にこれまでのクルマとは違う乗り物であることを主張するかのような、コンセプトがあれやこれやと込められていたと。
たとえば、写真下はラゲッジルームに配置されている充電用ケーブル専用バッグですけど、あえて、バッグスタイルにして、ロゴまで入れて、取り付けも確実性を持たせているんだそうな。その意図は、EVの新しい操作のひとつ、充電すら楽しめるものにしたかったと。たかがバッグ、されどバッグ、ですな。
また、充電口をフロントにしたのは、たんに前向き駐車云々とか、そういうつまらない理由かと思いきや、フロントとはドライビング前に必ず見るところゆえに、たとえケーブルを外し忘れたとしても、それに気付きやすいという配慮もあってのことだそうで。
こうした込められ想いは説明しきれないと諦めるのではなく、分かってもらいにくいからこそ説明すべきではないかと思うのですね(本来は説明の必要がないことが理想ですけども)。これは販売窓口であるディーラーの役割と思いつつも、むしろ我々の役割かとも思ったりしましたが。
さて、肝心なEVとしてのリーフですが、デフォルトモードですでに想像している以上のパワー感があり、まさにEV=走らないというイメージを払拭させようとしたかのようなフィーリングは、ちょっとやり過ぎ感を覚えましたほどでした。逆に、走らない……、ではなくて、まさにインテリジェントな走りをデフォルトにして、パワーモードを加えるというスタイルのほうが、スマートに思えるのですけどね。
そのほか、あれやこれやと新しい感覚がありました。マスがセンターに集約されているため、車両サイズを感じさせないのに、タイヤが後方にあることを感じさせるという、不思議なハンドリングフィールは、よくいえば、新しいドライビング感覚。トルク制御を行って、ロータリーエンジンライクに、まさに美しさを伴ったスムーズな発進加速や、ゆったり感をもたらすサスのストロークを生かした乗り心地なども、やはり、コンセプトに見合ったもの。まぁ、スポーティには届いていませんが、八ヶ岳まで乗って行きたい気分にさせてくれました。出掛けたくなるクルマってことですな。
リーフだから長距離は無理だろうと思いきや、事前に、充電ステーションを調べて、それを元にドライブルートを作り上げておくこともできるとか。なんたるフォローでしょうか。新しい技術を商品化するだけではなく、それを使えるモノへと仕立てることこそ重要。そういう意味でも、いろいろと考えられていました。
ちなみに、そのほか気になったのは、高めのタイヤ空気圧やモーターを起因とした高音のノイズやら。もちろん、EVならではなんですが、これは消し去って欲しい部分でした。まぁ、いずれにしても機会を作って、八ヶ岳へお伴させたいと考えております。